野村の仲介+は、野村不動産ソリューションズが専任・専属専任媒介の売主向けに用意する売却サポートの総称で、保証系の「あんしんPLUS」、見せ方を整える「すてきPLUS」、買換え・買取に関わるサービスで構成されています。メニュー数は多いものの、実際に使えるのは原則1つだけという選択制・併用不可のルールがあり、ここを見落とすと「思っていたサービスが同時に使えなかった」という食い違いにつながりかねません。この記事では、公式サイトの情報をもとに、建物・設備補修保証の保証年数区分、土地診断、ホームステージングなどの演出系サービス、買換保証・買取サポートの条件を整理し、どんな物件・売主に向いているかを見ていきます。

結論:野村の仲介+が向いている人
結論からお伝えすると、野村の仲介+は次のような人と相性が良い傾向があります。

- 築浅~築30年以内の戸建・マンションで、築年数に応じた保証年数の長さを重視する人
- 保証よりも、実物家具によるホームステージングや清掃、荷物整理など、売却前の見せ方・生活動線の負担軽減を優先したい人
- 土地を売却するにあたり、埋設物リスクを事前に可視化しておきたい人
また、東急リバブルと同様に買換保証(一定期間で売れなければ買い取ってもらえる仕組み)を備えているため、住み替えの期限をあらかじめ決めておきたい人にとっても検討候補になります。ただし、買換保証は専属専任媒介が条件になっている点には注意が必要です(詳しくは後述します)。一方で、保証年数の長さだけを見て「サービスが多いから全部お得」と捉えるのは早計です。野村の仲介+は原則として対象サービスから1つを選ぶ仕組みで、併用はできないのが基本という点を、最初に押さえておいてください。
野村の仲介+の売却サービス一覧
野村の仲介+のサービスは、大きく分けると次の3系統です。

| 系統 | 主なサービス |
|---|---|
| あんしんPLUS(保証系) | 建物補修保証、設備補修保証、土地診断(仮測量・埋設物撤去保証) |
| すてきPLUS(演出系) | ホームステージング、ハウスクリーニング、リユース、荷物一時預かり、土地ステージング |
| 買換え・買取関連 | 買換保証、買取サポート(買取会社紹介) |
これらの多くに共通する主要条件は次のとおりです。
- 専任媒介または専属専任媒介を3か月で締結すること
- 当初売出価格が野村不動産ソリューションズの査定価格の125%以内であること
- 規定の仲介手数料を支払うこと
- 自己居住用の物件で、賃貸中でないこと
- サービス提供エリア内であること
そして最も重要なのが、原則として対象サービスから1つを選択し、他のサービスとの併用は不可とされている点です。「あんしんPLUS」と「すてきPLUS」をまたいで両方受けられるわけではなく、たとえば建物補修保証を選べば設備補修保証やホームステージングは対象外になる、といった選択制の設計だと理解しておく必要があります。どのサービスが自分の物件で選べるのかは、査定・媒介契約の相談時に担当者へ具体的に確認するのが確実です。
なお、野村不動産ソリューションズは2025年度(2025年4月~2026年3月)の取扱高で大手仲介8社中3位に入っています。会社規模の全体像は不動産仲介会社ランキングTOP10で確認できます。
目玉サービス1:建物補修保証(あんしんPLUS)
建物補修保証は、専門家による検査を前提に、引渡し後の不具合を保証するサービスです。

- 対象:戸建は築30年以内。1983年1月以降築などの要件がある
- 検査:媒介契約後2週間以内に専門家による検査を実施
- 事前補修:検査で不具合が見つかった場合、1物件最大5万円までの事前補修
- 引渡し後の保証上限:1物件最大500万円(税別)
保証期間は築年数によって区分されており、ここが野村の仲介+の特徴のひとつです。
| 築年数区分 | 保証期間 |
|---|---|
| 築5年以内 | 5年 |
| 築5年超8年以内 | 4年 |
| 築8年超12年以内 | 3年 |
| 築12年超 | 2年 |
このうち、売主が負う期間は最初の3か月で、残りの期間は買主へ引き継がれる構成です。売主向けの短い責任期間と、買主が引渡し後に受けられる保証期間を混同しないようにしましょう。詳しい対象部位や適用条件は建物補修保証の公式ページで確認できます。
目玉サービス2:設備補修保証(あんしんPLUS)
設備補修保証は、キッチンや給排水管など住宅設備の故障に備えるサービスです。
- 対象:マンション・戸建で1983年1月以降築などの要件
- 事前補修:検査後の事前補修は1物件最大5万円
- 引渡し後の保証上限:1設備最大10万円(税別)
- 保証年数:建物補修保証と同じ築年数区分で、最長5年
売主向けの期間は引渡し後7日間と短く、残りの期間は買主へ引き継がれます。建物補修保証の「3か月」とは長さが異なるため、両者を混同しないよう注意してください。詳細は設備補修保証の公式ページで確認できます。
建物・設備とも、あんしんPLUSは原則1サービス選択の対象に含まれます。両方まとめて使えると思い込まず、どちらを優先するかを事前に検討しておくとスムーズです。
売却前の販売支援(すてきPLUS)
すてきPLUSは、物件の見せ方や引渡し前の負担を軽くする演出系のメニューです。
- ホームステージング:築20年以内、マンション50㎡以上・戸建80㎡以上が対象。空室の場合は実物家具・小物とプロ撮影、居住中の場合は荷物の一時預かりと小物演出・撮影という形で提供され、家具の設置期間は最長3か月
- ハウスクリーニング:浴室、レンジフード、キッチン、洗面・トイレ、エアコン1台、窓・サッシ、バルコニー、玄関などの中から5か所を選んで清掃
- リユース:不用品などを最大20点まで査定・引取りの対象にできるメニュー
- 荷物一時預かり:最大10点までの荷物を一時的に預けられる
- 土地ステージング:草木や残置物を整理し、土地の第一印象を改善する
実物のホームステージングや荷物整理は、住みながら売却活動を進める人や、空室を魅力的に見せたい人にとって負担軽減につながるメニューです。ただし、こちらも保証系サービスと同様、原則として選択制の対象です。「保証もステージングも両方使える」とはならない前提で検討しましょう。
建物・設備の保証年数やステージングの条件を見比べていると、そもそも自宅がどのくらいの価格で売れそうか気になってきますよね。査定を依頼する前に、まずは無料で資産価値の目安をつかんでおくと、複数社を比較する際の共通のものさしになります。
土地・買替え・買取関連サービス
戸建・マンションだけでなく、土地の売却や住み替えに関するメニューも用意されています。
土地診断
- 仮測量:境界標、越境、敷地の高低差、現況面積などを確認。確定測量ではない点に注意
- 埋設物撤去保証:居住用の更地で500㎡以内が対象。3mグリッドで深さ3mまでのスウェーデン式サウンディング試験などを実施
- 撤去上限:200万円(税別)。保証期間は引渡し後6か月で、売主が3か月、残りを買主が引き継ぐ
- 媒介契約後1か月以内に調査を行うことなどが条件
詳細は土地診断の公式ページを確認してください。仮測量はあくまで境界標や越境の有無、高低差などを事前に把握するための調査であり、確定測量や境界確定の代わりにはなりません。買主から境界の明示を求められた場合は、別途、確定測量が必要になることもあります。
買換保証
買換保証は専属専任媒介を締結していることが条件で、通常の専任媒介では利用できません。この点は建物・設備補修保証(専任・専属専任のいずれも可)とは条件が異なるため、混同しないよう注意が必要です。90日~1年程度の販売期間内に売却できなければ、あらかじめ設定した条件で買い取ってもらえる仕組みで、買替え時のつなぎ融資とセットで案内されています。
買取サポート
買取サポートは、野村不動産ソリューションズ自身が物件を買い取る「自社買取」ではありません。複数の買取会社を紹介してもらう仕組みで、通常の仲介手数料もかかります。買換保証のような直接買取と、買取会社を紹介するだけの買取サポートは別のサービスなので、「買取」という言葉だけで同じものと考えないようにしましょう。詳細は買換保証・買取サポートの公式ページで確認できます。
利用条件|専任媒介、築年数、面積、価格上限
ここまでのサービスに共通する利用条件を、あらためて整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 媒介契約 | 専任媒介または専属専任媒介(3か月)。買換保証のみ専属専任媒介が条件 |
| 売出価格 | 当初売出価格が査定価格の125%以内 |
| 物件用途 | 自己居住用。賃貸中は対象外 |
| 築年数 | 建物・設備補修保証は1983年1月以降築などの要件、戸建は築30年以内。ホームステージングは築20年以内 |
| 面積 | ホームステージングはマンション50㎡以上・戸建80㎡以上。埋設物撤去保証は更地500㎡以内 |
| 手数料 | 規定の仲介手数料の支払いが前提 |
| 併用 | 原則として対象サービスから1つを選択。他サービスとの併用は不可 |
細かい適用条件は物件ごとに異なる場合があるため、詳細は店舗へ確認するのが確実です。表からも分かるとおり、条件の多くは「専任・専属専任媒介」「売出価格125%以内」「自己居住用」という共通の土台の上に、サービスごとの築年数・面積・エリア条件が積み重なる構造になっています。共通条件を満たしていても、個別条件のどこか1つが外れれば対象外になり得るため、査定の段階で該当しそうなサービスを担当者と一緒に絞り込んでおくと、契約後の想定違いを防ぎやすくなります。
メリット
- 築年数区分に応じて最長5年の保証があり、築浅物件ほど手厚い保証年数を確保しやすい
- 建物・設備の保証だけでなく、土地診断、ホームステージング、清掃、リユース、荷物預かり、買換保証まで、物件タイプや優先事項に合わせて選べるメニューの幅がある
- 土地には埋設物撤去保証があり、更地売却特有のリスクに備えられる
- 実物家具のホームステージングや荷物一時預かりは、居住しながらの売却活動の負担を軽くしやすい
デメリット・注意点
- 原則として対象サービスは1つを選ぶ仕組みで、併用は基本的にできません。メニューが多いことと、実際に受けられるサービスの数は別問題だと理解しておく必要があります。
- 買換保証は専属専任媒介が条件で、通常の専任媒介では利用できません。「専任媒介を結べば買換保証も使える」と誤解しないよう注意してください。
- 買取サポートは自社買取ではなく、買取会社の紹介です。直接買い取ってもらえるサービスと期待して申し込むと、想定と異なる場合があります。
- 築年数、面積、売出価格上限、賃貸中かどうかなど、サービスごとに適用条件が細かく分かれている。対象外の場合もあるため、思い込みで進めないほうがよい
- ここに記載のない適用条件や最新の詳細は、公式ページの内容も予告なく変わる可能性があるため、店舗へ確認するのが確実
サービスの多さに目を奪われず、「自分の物件がどの1サービスの対象になり得るか」「そのサービスで何がどこまでカバーされるか」を先に整理しておくことが、野村の仲介+を検討するうえでの実務上のポイントです。
他社との違い
大手仲介各社と比べると、野村の仲介+の特徴は「築年数に応じた保証年数の柔軟性」と「選択制でメニューを絞り込む設計」にあります。たとえば東急リバブルは建物保証と住宅設備保証をセットで案内する構成で、住友不動産ステップはホームステージングから測量まで幅広いメニューを会員条件付きで用意しています。三井のリハウスの360°サポートは、専任・専属専任だけでなく一般媒介も対象とする点が独自です。これに対して野村の仲介+は、築年数によって保証年数が5年から2年まで細かく変わる設計と、対象サービスを原則1つに絞る点が他社との違いとして目立ちます。また、みずほ不動産販売や三菱UFJ不動産販売は、検査に適合した物件の買主向けに最大1,000万円・1年という保証を用意しており、保証額の大きさで比較すると野村の仲介+の500万円より上回ります。ただし保証の対象部位や検査の枠組みは会社ごとに異なるため、金額の大小だけで単純に優劣を判断せず、自分の物件の築年数や重視したい条件に照らして選ぶことが大切です。8社全体の比較は大手仲介8社の専任媒介サービス比較で詳しく整理しています。あわせて確認すると、自分の物件にどのサービスが合いそうか判断しやすくなります。
申込み前に担当者へ確認する質問
野村の仲介+は選択制・条件付きのサービスが多いため、申込み前に次のような点を担当者へ確認しておくと、思っていたサービスが使えなかったという食い違いを防ぎやすくなります。
- この物件はどのサービスの対象になるか。対象外ならその理由は何か
- サービスは無料か。仲介手数料以外に検査・再検査・補修費がかかる場合はあるか
- あんしんPLUSとすてきPLUS、または個々のメニューを複数併用できるか
- 検査で不適合だった場合、補修費と再検査費は誰が負担するか
- 保証申請時の免責、1回あたりの上限、対象外となる部位は何か
- 売買契約まで、あるいは引渡しまでの期限条件はあるか
- 買取サポートは自社買取か、第三者への紹介か。仲介手数料はかかるか
売却全体の進め方を先に押さえておきたい場合は、不動産売却の流れもあわせて確認しておくと、査定からサービス選択までの流れがイメージしやすくなります。
まとめ:野村の仲介+を検討するときのポイント
最後に、この記事の要点を整理します。
- 野村の仲介+は保証系「あんしんPLUS」と演出系「すてきPLUS」などから原則1サービスを選ぶ設計で、併用不可という点が最重要のポイント
- 建物補修保証は築年数区分(築5年以内5年、5年超8年以内4年、8年超12年以内3年、12年超2年)で保証年数が変わり、上限は1物件最大500万円(税別)。設備補修保証は1設備最大10万円(税別)で最長5年
- 買換保証は専属専任媒介が条件で、通常の専任媒介とは条件が異なる。買取サポートは自社買取ではなく買取会社の紹介で、通常の仲介手数料がかかる
- 土地には仮測量に加え埋設物撤去保証(上限200万円・税別)があり、更地売却特有のリスクに備えられる
サービスの数だけで判断せず、自分の物件が対象になるか、どのサービスを優先したいかを整理したうえで、担当者に具体的な条件を確認するのが失敗しにくい進め方です。
野村の仲介+のサービス内容を踏まえたうえで、まずは自宅がどのくらいの価格で売れそうか目安をつかんでおくと、複数社を比較する際の判断材料になります。
※2026年7月時点。サービス内容・対象エリア・条件は変更または終了する場合があります。


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