多摩で地価が上がった街トップ10【令和8年地価公示・住宅地】1位は国分寺市

朝の光の中、駅前広場と新しい中層ビルが調和する再開発された街並み 不動産の基礎知識

多摩で地価が最も上がったのは、立川でも吉祥寺でもありませんでした。この記事では、令和8年地価公示(国土交通省、2026年3月17日公表、価格時点2026年1月1日)をもとに、多摩地域の住宅地について、対前年の平均変動率が高い方から10件を並べます。上がり方が緩やかだった側のランキングは、対になる記事の多摩で地価がほぼ上がらなかった街トップ10にまとめています。

動画版: 多摩で地価が上がった街トップ10(5分31秒)
朝の光の中、駅前広場と新しい中層ビルが調和する再開発された街並み

多摩で地価が上がった街トップ10(令和8年・住宅地)

上昇率が高い順のランキング一覧

順位 市町村 変動率(対前年)
1 国分寺市 +7.2%
2 国立市 +7.1%
3 立川市 +7.0%
4 調布市 +5.9%
4 狛江市 +5.9%
6 武蔵野市 +5.6%
7 日野市 +5.4%
8 三鷹市 +5.0%
9 小金井市 +4.8%
10 府中市 +4.3%

※同率は同順位として扱い、次の順位を繰り下げています(調布市・狛江市が同率4位のため、次は6位)。

多摩で地価が上がった街トップ10(令和8年地価公示・住宅地)の横棒グラフ。1位国分寺市+7.2%、2位国立市+7.1%、3位立川市+7.0%、10位府中市+4.3%
令和8年地価公示(国土交通省)・東京都財務局公表資料を基に作成

上位に並んだのは、派手な高層ビルの街ばかりではなく、暮らしやすさで知られる住宅地の街でした。多摩の東側、都心に近いエリアに集まっているのが特徴です。なお多摩全域の住宅地は+3.9%ですから、トップ10はいずれも平均を上回っています。

1位は国分寺市のプラス7.2%

トップは国分寺市で、住宅地の平均変動率は+7.2%。多摩の中で最も大きな伸びを示しました。1位から3位までは、いずれも7%前後という高い伸びで並んでいます。一方で、上位に入らなかった街の地価が低いというわけではない、という点は最初に触れておきたいところです。この順位はあくまで「1年間の上がり幅が大きい順」であり、地価そのものの高い・安いを並べたものではありません。

【2026年9月追記】9月公表の基準地価では、順位はどう変わった?

この記事の公開後、2026年9月16日に東京都財務局から「令和8年東京都基準地価格」(国土利用計画法に基づく都道府県地価調査)が公表されました。基準地価は地価公示と同じく公的な地価の指標ですが、価格時点が7月1日(地価公示は1月1日)、調査主体が都道府県(地価公示は国土交通省)、調査する地点も別、という違いがあります。半年ずれた「もう一つの物差し」として、多摩地域の住宅地の対前年平均変動率(2025年7月1日から2026年7月1日までの1年間)を、本文と同じ条件で並べてみます。

順位 市町村 基準地価 変動率
(2026年7月1日時点)
参考: 地価公示 変動率
(2026年1月1日時点・本文の順位)
1 国立市 +7.5% +7.1%(2位)
2 国分寺市 +7.0% +7.2%(1位)
3 立川市 +5.6% +7.0%(3位)
4 狛江市 +5.3% +5.9%(4位)
5 三鷹市 +5.1% +5.0%(8位)
6 調布市 +4.8% +5.9%(4位)
7 武蔵野市 +4.7% +5.6%(6位)
8 日野市 +4.5% +5.4%(7位)
9 八王子市 +4.2% トップ10圏外
10 府中市 +4.1% +4.3%(10位)

※基準地価の変動率は東京都財務局「令和8年東京都基準地価格」資料10(区市町村別用途別対前年変動率・住宅地)の公表値。基準地価では檜原村・奥多摩町にも住宅地の平均変動率(いずれも0.0%)が公表されているため、母数は30市町村です。

変わった点と、変わらなかった点

  • 1位と2位が入れ替わりました。基準地価では国立市が+7.5%(前年は+8.0%)で最も高く、国分寺市+7.0%が続きます。差は0.5ポイントで、どちらも多摩で伸びが大きい街という位置づけは変わっていません。
  • 立川市は上位3市の中で差が開きました。地価公示では3市とも7%前後で並んでいましたが、基準地価では立川市が+5.6%です。ただし調査地点が異なる別の調査なので、「半年で伸びが鈍った」と言い切ることはできません。
  • トップ10の顔ぶれは9市が共通です。地価公示で9位だった小金井市(基準地価では+4.0%で11位)が外れ、八王子市(+4.2%)が入りました。中央線・京王線沿線に上位が集まる構図は同じです。
  • 多摩全域の住宅地は+3.5%で、前年と同率でした。26市1町がプラス、日の出町・檜原村・奥多摩町の2町1村が0.0%です(東京都財務局 概要より)。区部の住宅地は+8.7%で、多摩と区部の差が大きいという地価公示のときの構図も変わっていません。

読むときの注意点も本文と同じです。基準地価の変動率も「1年間の上がり幅」であり、2026年1月から7月までの半年で上がった・下がったという意味ではありません。また、上がり幅が大きい街が「買い時」「住みやすい街」を意味するわけではない点は、地価公示のときとまったく同じです。

この記事のデータと集計条件

出典は令和8年地価公示(2026年3月17日公表)

数字の出典は国土交通省の令和8年地価公示です。公表は2026年3月17日、価格時点は2026年1月1日。東京都財務局が公表している区市町村別・用途別の対前年平均変動率(住宅地)をもとにしています。地価公示で示される価格そのものの意味は、用語集の公示地価で解説しています。

対象は多摩の26市3町1村の住宅地

対象は多摩地域の26市3町1村の住宅地のみで、商業地・工業地は含みません。住宅地の標準地がない檜原村と奥多摩町は、市町村平均が公表されていないためランキングの対象外です。したがって、ランキングの母数は28市町村になります。

数字は対前年の平均変動率

ここで扱うのは、市町村内の住宅地標準地の対前年変動率の平均(単年)です。あくまで「1年間でどれだけ上がったか」という上がり幅であって、もともとの地価が高いか安いかとは別の話になります。参考として、東京都全域の住宅地は+6.5%、区部は+9.0%、多摩の商業地は+6.0%でした。

街路樹のある駅前通りを人々が歩く活気ある商店街の風景

トップ3を詳しく:立川・国立・国分寺

3位 立川市 +7.0%

立川市は多摩を代表するターミナルの街です。駅の周辺では大規模な開発が続いてきました。買い物も交通も一つの街で完結し、多摩の広い範囲から人が集まる商業の中心であることが、地価を押し上げていると考えられます。

2位 国立市 +7.1%

国立市は、駅から続く並木で知られる落ち着いた街並みが魅力です。文教都市としての人気は根強く、中央線の快速も停まります。憧れを持って住まいを探す人が多い街です。

1位 国分寺市 +7.2%

1位の国分寺市は、駅北口の再開発が完了したことが大きな背景にあります。中央線の特快が停まり、都心にも多摩の各地にも出やすい位置。不動産の現場でも、問い合わせの多さを感じる街です。駅前の変化が、そのまま数字に表れた印象があります。

上位の街に共通する3つの特徴

都心へ出やすい鉄道がある

トップ3はいずれも中央線の沿線でした。同率4位の調布市・狛江市は京王線で新宿に出やすい立地です。都心へのアクセスの良さは、地価に直結しやすい要素だと感じます。

駅前の開発や再整備が進む

国分寺や立川のように、駅前が新しく生まれ変わる街は、人の関心を集めやすい傾向があります。駅前の商業が元気な街は、その勢いが周りの住宅地にも波及しやすいものです。

もともと住宅地として人気

武蔵野市(吉祥寺)や国立市のように、もともと住宅地としての人気が高い街も上位に入りました。地価が上がりやすい街を見分けるヒントは、まず路線と駅からの距離、次に駅前が変わりつつあるかどうか、の二つです。逆に、多摩の西側は上がり幅が穏やかな街が多く、駅から離れた地域も含まれます。上位と下位を並べてみると、鉄道と駅前の存在感が、地価の伸びにいかに効いているかがよく分かります。

ただし、市町村ごとの平均だけでは、その場所の暮らしやすさまでは分かりません。気になる街の周辺環境(施設・交通・ハザード)を住所から調べたいときは、無料のまちかどレポートが手がかりになります。

新旧の住宅が混在する住宅街と、遠くに見える鉄道の駅

地価が上がった=住みやすい・買い時、ではありません

数字で分かること・分からないこと

地価が上がると分かるのは、その街の人気や注目度が高まっていること、駅前が変わりつつあること、くらいです。その街が自分に合うか、暮らしやすいかまでは分かりません。地価上昇と住みやすさは、別の話として分けて考えるのが大切です。順位が下のほうの街が、価値の低い街というわけでも決してありません。上がり方が緩やかだった側の顔ぶれと、その数字の読み方は多摩で地価がほぼ上がらなかった街トップ10で整理しています。あわせて読むと、多摩の中の差が立体的に見えてきます。

また、地価の数字には表れない「街の変わり方」もあります。昭和に大規模団地として造られた多摩の街が、60年後にどうなったのかを公的資料でたどった昭和の団地は60年後どうなった?多摩6団地の建替えから考える実家の選択もあわせてどうぞ。

1年間の変動率という点に注意

今回の数字は1年間の変動率です。今上がっている街が、この先も上がり続ける保証はありません。地価の変動率は毎年のように動きます。数字だけで買い時と決めず、まずは自分の生活に合うかどうかで街を選んでほしいと感じます。

(この記事の数値は令和8年地価公示の公表値に基づきます。制度や市況は変わるため、個別の売買・税務・法律の判断は、それぞれの専門家にご相談ください。)

明るいリビングで住宅の資料を見ながら話し合う夫婦

地価が上がったエリアでも、お持ちの家や土地がいくらで売れるかは、駅からの距離や土地の条件によって大きく変わります。住み替えの進め方や、相続した実家・土地の整理の進め方について、宅地建物取引士がご相談をお受けしています。「まず何から決めればいいか」を整理するところからで構いません。
自宅・相続した土地の売却を相談する
※多摩地域を中心に、売却のご相談を受け付けています。地域・物件の状況により対応できない場合があります。

よくある質問

Q. 多摩で地価が最も上がった街はどこですか?

A. 令和8年地価公示(住宅地)では、国分寺市が対前年+7.2%で最も大きく上がりました。次いで国立市が+7.1%、立川市が+7.0%と続きます。いずれも中央線の沿線です。

Q. 上位の街は地価が高い街ということですか?

A. 違います。ここで扱っているのは1年間の変動率(上がり幅)であり、地価の水準そのものではありません。上がり幅が大きくても地価水準がそれほど高くない街もありますし、その逆もあります。地価水準を知りたい場合は、変動率ではなく標準地の価格そのものを確認してください。

Q. 地価が上がった街は買い時ということですか?

A. いいえ。今回の数字は1年間の上がり幅を示すもので、買い時や住みやすさを示すものではありません。上がり幅と暮らしやすさは別の話です。街選びは、地価の変動率だけでなく、自分の生活に合うかどうかで判断することをおすすめします。

Q. 多摩全体では地価は上がっているのですか?

A. 多摩全域の住宅地は対前年で+3.9%でした。東京都全域は+6.5%、区部は+9.0%です。多摩でも住宅地は上がっていますが、区部の伸びには届かず、街ごとの差が見られます。

Q. 9月に公表された「基準地価」とは何が違いますか?

A. 基準地価(都道府県地価調査)は、都道府県が毎年7月1日時点の価格を調べて9月に公表するものです。地価公示(国土交通省、1月1日時点、3月公表)とは価格時点も調査地点も異なります。令和8年の基準地価(2026年9月16日公表)では、多摩の住宅地で変動率が最も高かったのは国立市の+7.5%で、国分寺市+7.0%、立川市+5.6%が続きました。詳しくは本文の「【2026年9月追記】」の見出しをご覧ください。

Q. この数字はどのデータをもとにしていますか?

A. 国土交通省の令和8年地価公示(2026年3月17日公表、価格時点2026年1月1日)をもとに、東京都財務局が公表する区市町村別・用途別の対前年平均変動率(住宅地)を用いています。対象は多摩の26市3町1村で、住宅地の標準地がない檜原村・奥多摩町は対象外です。

出典

集計条件

  • データ: 令和8年地価公示(国土交通省、2026年3月17日公表、価格時点2026年1月1日)
  • 対象: 住宅地のみ(商業地・工業地は含まない) / 多摩地域26市3町1村
  • 集計: 市町村内の住宅地標準地の対前年変動率の平均(東京都財務局公表値)
  • 変動率: 対前年(単年)変動率
  • 同率順位: 同率は同順位とし、次順位を繰り下げる(4位タイの次は6位)
  • 欠損: 住宅地の標準地がない檜原村・奥多摩町はランキング対象外

本記事は一般的な情報提供を目的としています。データの集計条件、物件、時点により結論は異なります。個別の売買、税務、法律上の判断は、それぞれの専門家へご相談ください。

多摩の地価と「わが家の売り時」は、別の話です

国分寺市の+7.2%のように市町村の平均が上がっていても、お持ちの家や土地がいくらで売れるかは、駅からの距離、土地の形、接道の状況などによって大きく変わります。ランキングの数字だけでは、ご自身の物件がどう評価されるかまでは分かりません。

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この記事を書いた人

鈴木 悠平(宅地建物取引士・2級FP技能士)

銀行系不動産会社で13年、不動産エージェントとして2年、通算15年以上売買仲介に携わり、新潟・八王子/府中・池袋など特性の異なるエリアで、売主・買主双方の立場から半期100件以上のご相談に対応してきました。「知らないだけで損をしてしまう」ケースを現場で数多く見てきた経験から、不動産売買で損をする人を一人でも減らすことを目指し、当サイト「イエノミカタ」を運営しています。

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