多摩で地価が最も上がったのは、立川でも吉祥寺でもありませんでした。この記事では、令和8年地価公示(国土交通省、2026年3月17日公表、価格時点2026年1月1日)をもとに、多摩地域の住宅地について、対前年の平均変動率が高い方から10件を並べます。上がり方が緩やかだった側のランキングは、対になる記事の多摩で地価がほぼ上がらなかった街トップ10にまとめています。

多摩で地価が上がった街トップ10(令和8年・住宅地)
上昇率が高い順のランキング一覧
| 順位 | 市町村 | 変動率(対前年) |
|---|---|---|
| 1 | 国分寺市 | +7.2% |
| 2 | 国立市 | +7.1% |
| 3 | 立川市 | +7.0% |
| 4 | 調布市 | +5.9% |
| 4 | 狛江市 | +5.9% |
| 6 | 武蔵野市 | +5.6% |
| 7 | 日野市 | +5.4% |
| 8 | 三鷹市 | +5.0% |
| 9 | 小金井市 | +4.8% |
| 10 | 府中市 | +4.3% |
※同率は同順位として扱い、次の順位を繰り下げています(調布市・狛江市が同率4位のため、次は6位)。

上位に並んだのは、派手な高層ビルの街ばかりではなく、暮らしやすさで知られる住宅地の街でした。多摩の東側、都心に近いエリアに集まっているのが特徴です。なお多摩全域の住宅地は+3.9%ですから、トップ10はいずれも平均を上回っています。
1位は国分寺市のプラス7.2%
トップは国分寺市で、住宅地の平均変動率は+7.2%。多摩の中で最も大きな伸びを示しました。1位から3位までは、いずれも7%前後という高い伸びで並んでいます。一方で、上位に入らなかった街の地価が低いというわけではない、という点は最初に触れておきたいところです。この順位はあくまで「1年間の上がり幅が大きい順」であり、地価そのものの高い・安いを並べたものではありません。
この記事のデータと集計条件
出典は令和8年地価公示(2026年3月17日公表)
数字の出典は国土交通省の令和8年地価公示です。公表は2026年3月17日、価格時点は2026年1月1日。東京都財務局が公表している区市町村別・用途別の対前年平均変動率(住宅地)をもとにしています。地価公示で示される価格そのものの意味は、用語集の公示地価で解説しています。
対象は多摩の26市3町1村の住宅地
対象は多摩地域の26市3町1村の住宅地のみで、商業地・工業地は含みません。住宅地の標準地がない檜原村と奥多摩町は、市町村平均が公表されていないためランキングの対象外です。したがって、ランキングの母数は28市町村になります。
数字は対前年の平均変動率
ここで扱うのは、市町村内の住宅地標準地の対前年変動率の平均(単年)です。あくまで「1年間でどれだけ上がったか」という上がり幅であって、もともとの地価が高いか安いかとは別の話になります。参考として、東京都全域の住宅地は+6.5%、区部は+9.0%、多摩の商業地は+6.0%でした。

トップ3を詳しく:立川・国立・国分寺
3位 立川市 +7.0%
立川市は多摩を代表するターミナルの街です。駅の周辺では大規模な開発が続いてきました。買い物も交通も一つの街で完結し、多摩の広い範囲から人が集まる商業の中心であることが、地価を押し上げていると考えられます。
2位 国立市 +7.1%
国立市は、駅から続く並木で知られる落ち着いた街並みが魅力です。文教都市としての人気は根強く、中央線の快速も停まります。憧れを持って住まいを探す人が多い街です。
1位 国分寺市 +7.2%
1位の国分寺市は、駅北口の再開発が完了したことが大きな背景にあります。中央線の特快が停まり、都心にも多摩の各地にも出やすい位置。不動産の現場でも、問い合わせの多さを感じる街です。駅前の変化が、そのまま数字に表れた印象があります。
上位の街に共通する3つの特徴
都心へ出やすい鉄道がある
トップ3はいずれも中央線の沿線でした。同率4位の調布市・狛江市は京王線で新宿に出やすい立地です。都心へのアクセスの良さは、地価に直結しやすい要素だと感じます。
駅前の開発や再整備が進む
国分寺や立川のように、駅前が新しく生まれ変わる街は、人の関心を集めやすい傾向があります。駅前の商業が元気な街は、その勢いが周りの住宅地にも波及しやすいものです。
もともと住宅地として人気
武蔵野市(吉祥寺)や国立市のように、もともと住宅地としての人気が高い街も上位に入りました。地価が上がりやすい街を見分けるヒントは、まず路線と駅からの距離、次に駅前が変わりつつあるかどうか、の二つです。逆に、多摩の西側は上がり幅が穏やかな街が多く、駅から離れた地域も含まれます。上位と下位を並べてみると、鉄道と駅前の存在感が、地価の伸びにいかに効いているかがよく分かります。
ただし、市町村ごとの平均だけでは、その場所の暮らしやすさまでは分かりません。気になる街の周辺環境(施設・交通・ハザード)を住所から調べたいときは、無料のまちかどレポートが手がかりになります。

地価が上がった=住みやすい・買い時、ではありません
数字で分かること・分からないこと
地価が上がると分かるのは、その街の人気や注目度が高まっていること、駅前が変わりつつあること、くらいです。その街が自分に合うか、暮らしやすいかまでは分かりません。地価上昇と住みやすさは、別の話として分けて考えるのが大切です。順位が下のほうの街が、価値の低い街というわけでも決してありません。上がり方が緩やかだった側の顔ぶれと、その数字の読み方は多摩で地価がほぼ上がらなかった街トップ10で整理しています。あわせて読むと、多摩の中の差が立体的に見えてきます。
1年間の変動率という点に注意
今回の数字は1年間の変動率です。今上がっている街が、この先も上がり続ける保証はありません。地価の変動率は毎年のように動きます。数字だけで買い時と決めず、まずは自分の生活に合うかどうかで街を選んでほしいと感じます。
(この記事の数値は令和8年地価公示の公表値に基づきます。制度や市況は変わるため、個別の売買・税務・法律の判断は、それぞれの専門家にご相談ください。)

地価が上がったエリアでも、お持ちの家や土地がいくらで売れるかは、駅からの距離や土地の条件によって大きく変わります。住み替えの進め方や、相続した実家・土地の整理の進め方について、宅地建物取引士がご相談をお受けしています。「まず何から決めればいいか」を整理するところからで構いません。
自宅・相続した土地の売却を相談する
※多摩地域を中心に、売却のご相談を受け付けています。地域・物件の状況により対応できない場合があります。
よくある質問
Q. 多摩で地価が最も上がった街はどこですか?
A. 令和8年地価公示(住宅地)では、国分寺市が対前年+7.2%で最も大きく上がりました。次いで国立市が+7.1%、立川市が+7.0%と続きます。いずれも中央線の沿線です。
Q. 上位の街は地価が高い街ということですか?
A. 違います。ここで扱っているのは1年間の変動率(上がり幅)であり、地価の水準そのものではありません。上がり幅が大きくても地価水準がそれほど高くない街もありますし、その逆もあります。地価水準を知りたい場合は、変動率ではなく標準地の価格そのものを確認してください。
Q. 地価が上がった街は買い時ということですか?
A. いいえ。今回の数字は1年間の上がり幅を示すもので、買い時や住みやすさを示すものではありません。上がり幅と暮らしやすさは別の話です。街選びは、地価の変動率だけでなく、自分の生活に合うかどうかで判断することをおすすめします。
Q. 多摩全体では地価は上がっているのですか?
A. 多摩全域の住宅地は対前年で+3.9%でした。東京都全域は+6.5%、区部は+9.0%です。多摩でも住宅地は上がっていますが、区部の伸びには届かず、街ごとの差が見られます。
Q. この数字はどのデータをもとにしていますか?
A. 国土交通省の令和8年地価公示(2026年3月17日公表、価格時点2026年1月1日)をもとに、東京都財務局が公表する区市町村別・用途別の対前年平均変動率(住宅地)を用いています。対象は多摩の26市3町1村で、住宅地の標準地がない檜原村・奥多摩町は対象外です。
出典
- 令和8年地価公示 区市町村別用途別対前年平均変動率(東京都財務局、取得日2026-07-25)
https://www.zaimu.metro.tokyo.lg.jp/kijunchi/chikakouji/r8kouji - 令和8年地価公示 個別地点データ(オープンデータCSV)(東京都財務局、取得日2026-07-25)
https://www.zaimu.metro.tokyo.lg.jp/kijunchi/chikakouji/r8kouji
集計条件
- データ: 令和8年地価公示(国土交通省、2026年3月17日公表、価格時点2026年1月1日)
- 対象: 住宅地のみ(商業地・工業地は含まない) / 多摩地域26市3町1村
- 集計: 市町村内の住宅地標準地の対前年変動率の平均(東京都財務局公表値)
- 変動率: 対前年(単年)変動率
- 同率順位: 同率は同順位とし、次順位を繰り下げる(4位タイの次は6位)
- 欠損: 住宅地の標準地がない檜原村・奥多摩町はランキング対象外
本記事は一般的な情報提供を目的としています。データの集計条件、物件、時点により結論は異なります。個別の売買、税務、法律上の判断は、それぞれの専門家へご相談ください。

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