実家じまいで使える補助金・もらえるお金まとめ【2026年版】

夕方の住宅地に建つ実家のイメージ お金・費用

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「実家じまいはお金が出ていくばかり」と身構えている方は多いのですが、実際には使える補助金や税金の特例、手元に戻ってくるお金もいくつかあります。ただし、その多くは黙っていてもらえるものではなく、自分で調べて期限内に申請しないと受け取れないのが実情です。結論からお伝えすると、実家じまいで使えるお金は「①自治体の補助金」「②税金を軽くする特例」「③手元に戻ってくるお金」の3種類に分けて考えると整理しやすくなります。この記事では、2026年7月時点で確認できる制度の全体像と、多くの方がつまずく「自分の自治体の制度をどう探すか」という手順まで、現役の不動産仲介の目線で解説します。

夕方の住宅地に建つ実家のイメージ

実家じまいで「もらえるお金」は3種類に分けて考える

補助金の情報を調べ始めると、解体、片付け、リフォーム、移住、税金と話題が入り混じって、何が自分に関係あるのか分からなくなりがちです。まずは大きく3種類に分けて、全体像をつかむところから始めましょう。実家じまい全体でいくらかかるのかという費用の目安は、実家じまいの費用はいくら?内訳と総額目安を3ケースで解説で整理しています。

実家じまいで使えるお金を3種類に分けて示す比較イメージ

①自治体の補助金(解体・片付け・活用)

1つ目は、市区町村が用意している補助金です。老朽化した空き家の解体(除却)への補助がよく知られていますが、それ以外にも、家財道具の撤去費用や、空き家バンクへの登録とセットの改修費用などを対象にした制度を設けている自治体もあります。ただし、これらはすべての自治体にあるわけではなく、制度の有無・金額・条件は自治体ごとに異なります(2026年7月時点)。「隣の市にあったから自分の市にもあるはず」とは考えないほうが安全です。

②税金を軽くする特例(払わずに済むお金)

2つ目は、実家を売ったときの税金を軽くする特例です。もらえるお金ではありませんが、要件を満たせば数百万円単位で手取りが変わることもあり、実務上のインパクトは補助金より大きくなるケースが少なくありません。代表的なのが、相続した空き家を売ったときの3,000万円特別控除です。現場では、補助金は熱心に調べたのに税の特例の要件を外して後から気づく、というもったいないケースを見かけます。

③手元に戻ってくるお金(売却代金・保険の返戻金など)

3つ目は、制度ではありませんが実家じまいで手元に入ってくるお金です。売却代金や買取代金はもちろん、火災保険を長期契約で一括払いしていた場合の解約返戻金、電気・ガス・水道の精算、家財のなかの買取対象品の売却代金などが該当します。とくに火災保険の未経過分は、解約の連絡をしないと戻ってこないことが多く、見落とされがちです。

「もらえて当然」ではない、という前提を持つ

3種類のいずれにも共通するのが、要件と期限があるという点です。とくに自治体の補助金には、その年度の予算枠に達した時点で受付が終わる、着工前(契約前)の申請が条件になっている、といった制約が付くことが一般的です。工事を始めてから申請しても対象外になるケースが多いため、「補助金が出る前提」で資金計画を組むのは避け、出れば助かるという位置づけで考えておくと安心です。

片付け・家財整理・解体で使える補助金の例

以下は2026年7月時点で公表情報を確認できた制度の一例です。年度ごとに募集内容・金額・要件が変わり、制度名も自治体によって異なるため、「こういう種類の制度がある」というイメージとして読んでください。

補助金の申請書類と期限を確認する手元のイメージ

家財の撤去・処分費まで対象になる制度もある

片付けにかかるお金は自己負担、と思われがちですが、空き家の活用や流通を後押しする補助制度のなかに、家財道具の撤去・処分費用を対象メニューとして含めている自治体があります。たとえば京都市は「空き家の活用・流通支援等補助金」として、空き家を売却や賃貸に出すための改修費や家財の撤去費用を支援する制度を設けてきました(2026年7月時点。募集期間・要件は年度ごとに変わるため、京都市の公式サイトで最新の要項をご確認ください)。この種の制度は「空き家を放置せず市場に戻すこと」が狙いのため、売却や賃貸を前提にした申請が条件になっていることが多い点は押さえておきましょう。

空き家バンクへの登録とセットの支援

地方の実家では、自治体が運営する空き家バンクへの登録を条件に、改修費や片付け費用の補助、成約時の奨励金などを用意している例があります。国土交通省が主導する「全国版空き家・空き地バンク」に情報を集約している自治体も多く、まずは自分の実家の所在地が参加しているかを確認するのが早道です。ただし、空き家バンクは登録すれば売れるという仕組みではなく、成約までに時間がかかることもあります。仲介での売却や買取と比べたうえで選ぶのが現実的です。

解体費用の補助は「老朽危険空き家」が中心

実家じまいでいちばん金額が大きくなりやすいのが解体費用です。解体への補助は、倒壊のおそれや衛生・景観への悪影響が心配される老朽空き家を対象にしたものが中心で、東京都足立区の老朽家屋等の解体工事助成、神戸市の老朽危険空家等の解体支援など、都市部にも制度を設けている自治体があります(いずれも2026年7月時点。老朽度の判定や事前申請などの条件があります)。ここでは概要にとどめますので、対象要件・申請の流れ・自治体の探し方の詳細は空き家解体の補助金2026年版|仕組みと自治体の探し方を解説をご覧ください。

補助金の有無を調べるのと並行して、解体そのものの金額感をつかんでおくと判断が早くなります。解体費用は業者によって差が出やすく、補助額よりも見積もりの差のほうが大きいことも珍しくありません。複数社の見積もりを比べて相場感を持ったうえで、補助が使えるかを自治体に確認する流れがおすすめです(徳島県・高知県は対象外です)。

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税金の特例で手取りを増やす/逆に負担が増える場面

補助金が数十万円規模であるのに対し、税の特例は手取りが数百万円変わることもあります。実家じまいの資金計画では、こちらを先に確認しておくほうが効果的です(以下はいずれも2026年7月時点の制度で、適用要件は個別事情によって変わります)。

自治体の窓口で相談するイメージ

相続した空き家を売るときの3,000万円特別控除

相続した実家を売って利益(譲渡所得)が出た場合、一定の要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります(被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除。国税庁タックスアンサーNo.3306)。1981年5月31日以前に建築された家屋であること、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡であること、売却代金が1億円以下であることなどが主な条件で、適用期限は2027年12月31日までの譲渡とされています。相続人が3人以上の場合は1人あたりの控除額が2,000万円になる点にも注意が必要です。要件の詳細は相続した空き家の3,000万円特別控除の要件で解説しています。

相続税を払った人が使える取得費加算の特例

相続税を納めた方が、相続財産である不動産を一定期間内に売った場合、納めた相続税の一部を取得費に加算して譲渡所得を圧縮できる特例があります(国税庁タックスアンサーNo.3267)。期限は相続税の申告期限の翌日から3年を経過する日までの譲渡です。空き家の3,000万円特別控除とは併用できない組み合わせがあるため、どちらが有利かは個別の計算が要ります。判断に迷う場合は税理士や所轄の税務署に確認することをおすすめします。

逆に負担が増える場面も知っておく

お金がもらえる話だけでなく、負担が増える場面も押さえておきましょう。建物を解体して更地にすると、土地の固定資産税の住宅用地特例が外れ、翌年からの税額が上がることがあります。また、空家等対策特別措置法の改正(2023年12月施行)により、「管理不全空家等」や「特定空家等」に指定されて勧告を受けると、住宅用地特例が解除される仕組みになりました。指定された場合の流れは特定空家に指定されたらどうなる?で詳しく解説しています。補助金を待っているあいだに空き家の状態が悪化し、税負担が増えてしまっては本末転倒です。

補助金や特例をどこまで追いかけるべきかは、その実家がいくらで売れそうかによって変わります。売却の見込み額が分かれば、解体して更地にするのか、建物付きのまま手放すのか、補助金の申請に時間をかける価値があるのかを、数字で比べられるようになります。まずは資産価値の目安を無料で確認してみてはいかがでしょうか。

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自分の自治体の制度を探す4ステップ

ここからが実務でいちばん役に立つ部分です。補助金は「あるかないか」を調べるところでつまずく方が多いので、探し方を手順にして整理します。ネットの体験談やまとめサイトの金額は他の自治体のものであることが多いため、最後は公式情報にたどり着くことを目指しましょう。

ステップ1:検索の言葉を組み立てる

まず「(実家のある市区町村名) 空き家 補助金」で検索します。ヒットしない場合は、制度名の言い回しを変えて「(市区町村名) 老朽危険空家 除却 補助」「(市区町村名) 空き家 除却 助成」「(市区町村名) 空き家 家財 撤去 補助」なども試してください。自治体は「補助金」「助成金」「支援事業」「奨励金」と呼び方がまちまちで、解体は「除却」と表記されることが多いためです。検索結果は、ドメインの末尾が lg.jp や go.jp の公式ページを優先して開きます。都道府県のサイトに、市町村ごとの制度一覧がまとまっていることもあります。

ステップ2:担当課の見当をつけて電話で聞く

サイトで見つからなくても、制度がないとは限りません。窓口に直接聞くのが確実です。空き家関連を担当しているのは、住宅政策課、建築指導課、都市計画課、まちづくり推進課、環境政策課などが一般的です。分からなければ市区町村の代表電話に「空き家の解体や片付けに使える補助制度について伺いたい」と伝えれば、担当部署につないでもらえます。

ステップ3:窓口で確認しておきたい6項目

電話や窓口では、次の6点を聞いておくと判断材料がそろいます。①今年度の受付期間と予算の残り状況、②対象になる空き家の条件(築年数・老朽度判定の要否・空き家になってからの期間)、③申請できる人(所有者本人のみか、相続人でも可か、相続登記が済んでいる必要があるか)、④着工前・契約前の申請が条件か、⑤補助率と上限額、⑥必要書類と交付決定までにかかる期間(見積書は何社分必要か)。とくに③と④は、相続がからむ実家じまいで見落とされやすいポイントです。相続登記が終わっていないために申請できない、というケースは実際にあります。

ステップ4:制度が見つからないときの次の一手

制度がなかった場合でも、打つ手はあります。解体費の補助はなくても、アスベスト含有調査や耐震診断への補助が別枠で用意されていることがあります。それでも見つからないときは、補助金探しに時間をかけるより、複数社から見積もりを取って費用そのものを下げるほうが効果的なこともあります。制度用語で分からない言葉が出てきたら、不動産用語集もあわせてご活用ください。

※本記事は2026年7月時点で確認できる一般的な情報をまとめたものです。補助金の有無・金額・要件は自治体ごとに異なり、年度によって変更・終了することがあります。税制の特例も個別の事情によって適用の可否が変わります。実際の申請にあたっては、自治体の窓口・国税庁の公表資料・税理士・司法書士など専門家にご確認ください。

まとめ:制度は3種類に分けて、公式情報で確認する

最後に、この記事の要点を整理します。

  • 実家じまいで使えるお金は「①自治体の補助金」「②税金を軽くする特例」「③手元に戻ってくるお金」の3種類に分けると整理しやすい(2026年7月時点)
  • 自治体の補助金は解体(除却)が中心だが、家財の撤去費や空き家バンク登録とセットの支援を設けている自治体もある。制度の有無・金額・条件は自治体ごとに異なる
  • 相続した空き家の3,000万円特別控除(2027年12月31日までの譲渡)や取得費加算の特例は、補助金より手取りへの影響が大きいことがある
  • 更地化や管理不全空家等・特定空家等の指定で住宅用地特例が外れ、逆に税負担が増える場面もある
  • 制度は「市区町村名+空き家+補助金/除却」で検索し、担当課に受付期間・対象条件・申請できる人・着工前申請の要否・上限額・必要書類の6点を確認する

補助金は金額こそ大きくありませんが、調べる過程で自治体の窓口とつながっておくと、その後の手続きが進めやすくなります。制度に振り回されず、実家をどうするかという方針を先に決めたうえで、使えるものを取りにいく。この順番で進めると、後悔の少ない実家じまいになります。

補助金や特例を調べる前に、実家がいくらで売れそうかを知っておくと、解体するかどうか、どこまで手をかけるかの判断がぐっと楽になります。無料で、数分あれば目安を確認できます。

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この記事を書いた人

鈴木 悠平(宅地建物取引士・2級FP技能士)

銀行系不動産会社で13年、不動産エージェントとして2年、通算15年以上売買仲介に携わり、新潟・八王子/府中・池袋など特性の異なるエリアで、売主・買主双方の立場から半期100件以上のご相談に対応してきました。「知らないだけで損をしてしまう」ケースを現場で数多く見てきた経験から、不動産売買で損をする人を一人でも減らすことを目指し、当サイト「イエノミカタ」を運営しています。

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