※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます
「相続した実家を売ったら、税金はいくらかかるんだろう」と不安になっていませんか。結論からお伝えすると、税金がかかるのは売却で利益(譲渡所得)が出た場合で、売却額そのものに課税されるわけではありません。さらに、一定の要件を満たすと「相続空き家の3,000万円特別控除」という特例で、税負担を大きく減らせる場合があります。この記事では、相続した家を売るときの税金の仕組み、3,000万円控除が使えるかどうかの要件チェック、使えないときの選択肢までを、不動産売却の現場目線でやさしく整理します。なお、税制の説明はいずれも2026年7月時点の一般的な内容です。

相続した家の売却にかかる税金の基本
まずは全体像からです。「売ったら売却額の2割が税金で消える」と誤解されがちですが、実際の仕組みはそうではありません。順番に見ていきましょう。
課税されるのは「売却益(譲渡所得)」が出たときだけ
相続した家を売ったときに関係するのは、所得税・住民税(および復興特別所得税)です。課税の対象になるのは売却価格そのものではなく、そこから「取得費(親がその家を買ったときの代金など)」と「譲渡費用(売るためにかかった費用)」を差し引いた利益、つまり譲渡所得です。計算式にすると次のとおりです。
譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除
たとえば2,500万円で売れた家の取得費が2,000万円、譲渡費用が100万円なら、利益は400万円。ここに特別控除が使えれば課税対象はさらに小さくなり、控除額の範囲に収まれば税額がゼロになる計算です。逆に利益が出なければ、課税対象となる譲渡所得もそもそも生じません。なお、譲渡費用には仲介手数料や印紙税のほか、売るために行った建物の取壊し費用などが含められる場合があります。領収書類は捨てずに保管しておきましょう。
税率の目安は約20%。親の所有期間を引き継げるのがポイント
税率は「売った年の1月1日時点での所有期間」で変わります。目安として、所有期間5年超の「長期譲渡所得」なら約20%(所得税・住民税・復興特別所得税をあわせて20.315%)、5年以下の「短期譲渡所得」なら約39%とされています(2026年7月時点)。ほぼ2倍の差なので、ここは大きな分かれ目です。

そして相続の場合の重要ポイントが、被相続人(亡くなった方)の所有期間を引き継げることです。親が30年住んだ実家なら、相続した翌年に売っても所有期間は30年超として扱われ、長期の約20%が適用されるケースが多いとされています。「相続してすぐ売ると税率が高くなるのでは」と心配される方が多いのですが、一般的には過度に心配しなくてよい部分です。
「相続税」と「譲渡所得税」は別物。混同に注意
もうひとつ混同しやすいのが、相続したときにかかる「相続税」と、売ったときにかかる「譲渡所得税」の関係です。この2つは別の税金です。相続税には基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数、が2026年7月時点の目安)があり、範囲内なら発生しないご家庭も多い一方、譲渡所得税は売却益が出れば相続税の有無と関係なくかかり得ます。「相続税を払っていないから、売っても税金の心配はいらない」とはならない点に注意してください。
取得費が分からないと税負担が重くなりがち。まず契約書を探そう
実務でつまずきやすいのがここです。親がその家をいくらで買ったのか分からない場合、取得費は「概算取得費」として売却価格の5%で計算するのが原則的な扱いです。たとえば2,800万円で売れた家なら、取得費はわずか140万円。実際には2,000万円で買っていたとしても、証明できなければ利益が大きく計算され、税負担が重くなりがちです。
だからこそ、売却を考え始めたら、まず親の購入時の売買契約書や領収書を探すことが大切です。権利証や登記関係の書類と一緒に、実家の金庫や引き出しに保管されているケースがよくあります。見つからない場合でも、状況によっては他の資料から取得費を検討できる余地があるとされているので、あきらめる前に税理士へ相談してみてください。
「相続空き家の3,000万円特別控除」は使える?要件をチェック
ここからが本題です。「相続空き家の3,000万円特別控除」は、要件を満たす実家の売却について、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける特例です。仮に利益が2,000万円なら控除の範囲内に収まり、課税される所得はゼロになる計算。長期税率約20%で考えると、約400万円分の税負担が変わり得る大きな特例です。ただし要件がかなり細かいので、一つずつ確認していきましょう。

主な要件チェックリスト
2026年7月時点の一般的な情報として、主な要件には次のようなものがあります。あくまで代表例の紹介なので、最終的な適用可否は国税庁サイトの最新情報と、税理士への確認をおすすめします。
- 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋であること(旧耐震基準の時代の建物が対象)
- マンションなどの区分所有建物でないこと
- 亡くなった方がその家に一人で住んでいたこと(老人ホームに入所していた場合の例外あり)
- 相続してから売却まで、貸したり自分が住んだりしていないこと
- 売却価格が1億円以下であること
- 耐震基準を満たして売るか、家屋を取り壊して売ること
- 相続開始から3年後の年の12月31日までに売却すること
とくに引っかかりやすいのは「建築年」と「貸したり住んだりしていない」の2つです。1981年6月以降に建った実家はそもそも対象外ですし、「空き家のままではもったいないから」と一時的に人に貸してしまうと、要件から外れる場合があります。売却方針が固まるまで手を付けずに置いておくことが、結果的に節税につながるケースがある、と覚えておいてください。
2024年以降は「売った後の取壊し・耐震改修」も対象になる扱いがある
以前は「売る前に耐震改修を済ませるか、取り壊して更地にして売る」のが基本でしたが、2024年以降の売却については、譲渡したあとに買主が翌年2月15日までに耐震改修や取壊しを行う場合も対象になる扱いがあるとされています。売主が先に解体費用を負担しなくてよくなる可能性があり、使い勝手が良くなった部分です。ただし売買契約の条件設計が絡むため、この形を検討するなら不動産会社と税理士の両方に事前に相談しておくと安心です。
見落としやすい注意点:適用期限・1億円の判定・相続人の人数
さらに、次の3点は見落としやすい注意点です。第一に、この特例には適用期限が設けられており、いつまでの売却が対象になるかは制度改正で変わる可能性があります。国税庁サイトで最新の期限を確認してください。第二に、「売却価格1億円以下」の判定は、複数回に分けて売った場合などに合算で判断されることがあります。第三に、相続人が3人以上で共有相続して売る場合は、控除額が1人あたり2,000万円になるとされています。人数で控除の上限が変わる点は、遺産分割の話し合いにも影響し得るポイントです。
自宅を売るときの「居住用3,000万円控除」とは別制度
名前が似ているため混同されやすいのですが、自分が住んでいたマイホームを売るときの「居住用財産の3,000万円特別控除」とは別の制度です。今回紹介した「相続空き家」の特例は、相続した実家に自分は住んでいなかったケースで検討するもの。もしあなた自身がその家に住んでいたのであれば、居住用の控除を検討する流れになります。どちらに当たるか微妙なケースや、住民票だけ移していたようなケースは、自己判断せず税理士に相談しましょう。
※税金の取り扱いは、物件の所有期間・利用状況・他の特例との併用などで変わります。本記事は2026年7月時点の一般的な説明です。実際の課税や特例の適用可否については、最新の制度を国税庁サイトや税理士・お近くの税務署でご確認ください。
控除が使えないときの選択肢と、売却までの進め方
「要件を確認したら、うちは対象外だった」という場合も、打つ手がないわけではありません。ほかの選択肢と、売却までの段取りを整理します。
相続税を払った人は「取得費加算の特例」も検討
相続税を納めた人が、相続開始から一定期間内(相続税の申告期限の翌日から3年以内が目安とされています)にその不動産を売った場合、納めた相続税の一部を取得費に加算できる「取得費加算の特例」があります。取得費が増えるぶん利益が圧縮され、税負担が軽くなる可能性があります。
注意したいのは、この特例と相続空き家の3,000万円控除は選択制で、併用はできないとされている点です。どちらが有利かは、納めた相続税の額や売却益の大きさによって変わります。ここはまさに税理士の出番で、両方のパターンで試算を依頼する価値が大きい場面です。
控除を使うなら確定申告が必須。税額ゼロでも忘れずに
3,000万円控除などの特例は、確定申告をして初めて適用されます。「控除で税額がゼロになるなら申告もいらないだろう」とはならず、税額がゼロでも申告が必要です。申告時期は、売却した翌年の2月16日〜3月15日が原則。相続空き家の特例では、家屋のある自治体が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」など、取得に時間のかかる書類が必要になる場合があるため、早めの準備をおすすめします。
期限から逆算すると、動き出しは早いほうがいい
「相続開始から3年後の年の12月31日まで」という期限は、長いようで意外と短いのが実感です。遺産分割の話し合い、相続登記、荷物の片付け、販売活動、買主との契約から引き渡しまで、それぞれ数か月単位の時間がかかることもあります。とくに空き家の売却は、買い手探しに時間がかかる地域もあります。特例を視野に入れるなら、相続の落ち着いたタイミングで早めに動き始めると、選択肢が狭まらずに済みます。
売却の前提は相続登記。段取りと相談先を押さえよう
忘れてはいけないのが、名義が親のままの家は売れないという点です。売却の前提として相続登記(名義変更)が必要で、相続登記は2024年4月から義務化もされています。期限や罰則の詳しい内容は相続登記の義務化の記事で解説しているので、まだ登記が済んでいない方はあわせて確認してください。

相談先の目安は、税額の計算や特例の適用可否は税理士・税務署、名義変更は司法書士、売却価格や売り方は不動産会社、と分けて考えるとスムーズです。とくに相続空き家の特例が絡む売却は、「取り壊して売るか、そのまま売るか」で段取りが変わるため、相続不動産の扱いに慣れた会社を選ぶことも大切です。会社選びのコツは不動産会社の選び方の記事で詳しく解説しています。
税金の試算にも、そもそも「いくらで売れそうか」の目安が欠かせません。当サイトの無料診断なら、物件情報を入力するだけで実家の資産価値の目安が分かるので、税理士や家族と話す前の材料づくりに活用してみてください。
PR・広告
相続手続きをまとめて任せたい場合の選択肢
相続した家の売却では、譲渡所得税の申告に加えて、相続税の申告や名義変更(相続登記)が同じ時期に重なることがあります。これらを一つずつ手配するのが負担に感じる場合は、まとめて代行してもらう選択肢もあります。
相続アシストは、税理士・司法書士・弁護士が連携し、相続税の申告、戸籍の収集、不動産や預貯金の名義変更などをまとめて代行するサービスです。全国に対応しており、やり取りはオンラインや郵送で進められます。
- 料金の目安:基本料金は68万円(税込)からとされています(2026年時点)。決して安い金額ではないので、依頼する手続きの範囲と費用が見合うかをよく確認したうえで判断してください。
- まとめて代行が向くケース:相続人が多忙で時間を取りにくい、相続人が遠方や高齢で動きづらい、財産の構成が複雑、相続税の申告期限(相続開始から10か月)が迫っている、といった場合です。
- 個別に頼む選択肢もある:相続登記だけなら自分で申請すれば実費数万円で済み、司法書士に単発で依頼することもできます。相続税の申告だけなら税理士に個別に依頼する方法もあります。手続きが一つだけなら、まとめて代行しないほうが費用を抑えられることもあります。
- 申し込み後の流れ:フォームで申し込むと、担当者から電話またはメールで連絡があり、状況のヒアリングを受けたうえで正式に依頼するかどうかを判断できます。無料相談の段階で断ることもできます。
まとめ:控除が使えるか確認してから、売り方を決めよう
最後に、この記事の要点を整理します。
- 税金がかかるのは売却益(譲渡所得)が出た場合。税率の目安は長期で約20%、相続では親の所有期間を引き継げる
- 取得費が不明だと概算取得費(売却価格の5%)となり税負担が重くなりがち。まず親の売買契約書を探す
- 「相続空き家の3,000万円特別控除」は建築年・利用状況・売却期限など要件が細かい。国税庁サイトと税理士で最新情報の確認を
- 使えない場合も「取得費加算の特例」(選択制・併用不可)などの選択肢がある。控除を使うなら税額ゼロでも確定申告が必要
相続した家の税金は、「控除が使えるかどうか」で手取りが数百万円単位で変わることもある世界です。①親の購入時の契約書を探す、②特例の要件に当てはまりそうか整理する、③税理士と不動産会社に早めに相談する、の順で進めてみてください。譲渡所得税は売却の翌年に納めるなど、費用ごとに支払う時期は異なります。相続を含めた自己資金と支払時期の全体像もあわせて確認しておくと、資金の準備がしやすくなります。
売却の判断も税金の試算も、出発点は「実家がいくらくらいか」を知ることです。無料で数分あれば目安を確認できるので、最初の一歩として活用してみてください。


コメント