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親が亡くなり実家を相続したものの、「名義変更は何から始めればいいのか」「費用はいくらかかるのか」と戸惑っていませんか。結論からお伝えすると、相続した不動産の名義変更(相続登記)は、①遺言書の確認 → ②相続人の確定 → ③遺産分割協議 → ④必要書類の準備 → ⑤法務局への申請という5つのステップで進みます。費用の柱は「登録免許税」「書類取得の実費」「依頼する場合の司法書士報酬」の3つです。この記事では、名義変更の全体の流れと費用の内訳・目安、そして自分でやるか司法書士に頼むかの判断軸までを、これから手続きを始める方向けの全体地図として整理します。ひとつずつ順番に確認していきましょう。

相続した不動産の名義変更とは?基本と期限をまず確認
最初に、「名義変更とは何をする手続きで、いつまでに行うものなのか」という前提を押さえましょう。ここが分かると、この後の流れがぐっと理解しやすくなります。
名義変更(相続登記)をしないと、売却も賃貸もできない
不動産の名義変更とは、法務局にある登記簿の所有者を、亡くなった方から相続人へ書き換える手続きのことで、正式には「相続登記」と呼ばれます。名義が故人のままの不動産は、原則として売ることも、貸すことも、担保に入れることもできません。実家を「売る・貸す・住む」のどれにするかまだ決めていない段階でも、名義変更だけはどの道を選んでも通ることになる共通の入口です。なお、登記や相続の手続きでは聞き慣れない専門用語が次々に出てきます。分からない言葉に出会ったら、当サイトの不動産用語集で確認しながら読み進めてみてください。
2024年4月から義務化。「知った日から3年以内」が原則
相続登記は2024年4月1日から義務化されており、「相続で不動産を取得したと知った日から3年以内」の申請が原則とされています(2026年7月時点)。正当な理由なく放置すると10万円以下の過料の対象になり得ますが、いきなり科されるのではなく、まず法務局からの催告が先に行われるとされています。また、義務化より前に相続した不動産もさかのぼって対象になる点は見落とされがちです。期限のカウント方法や過料までの実際の流れ、間に合わないときの対処法は、相続登記の義務化の期限と罰則の記事で詳しく解説しています。
先送りするほど、手続きは複雑になりやすい
期限があるとはいえ、実務でより注意したいのは「放置そのもののリスク」です。名義変更をしないまま相続人の誰かが亡くなると、次の相続が発生して権利関係者が増えていきます(数次相続と呼ばれる状態です)。関係者が増えるほど書類集めも話し合いも大変になり、費用と時間が膨らみやすくなります。気持ちの整理がついてからで大丈夫ですが、「いつかやろう」のまま何年も置かないことが、結果的にいちばんの近道になります。
名義変更の流れ5ステップ|全体像をつかもう
続いて本題の流れです。名義変更は次の5ステップで進みます。全体像を先につかんでおくと、いま自分がどこにいて、次に何をすればいいのかが見えやすくなります。

- ステップ1:遺言書の有無を確認する
- ステップ2:戸籍を集めて相続人を確定する
- ステップ3:遺産分割協議で「誰が引き継ぐか」を決める
- ステップ4:必要書類を揃える
- ステップ5:法務局に相続登記を申請する
ステップ1:遺言書の有無を確認する
最初にやるのは遺言書探しです。遺言書があるかないかで、その後の進め方が大きく変わります。遺言書があれば原則としてその内容が出発点になり、遺産分割協議を省略できる場合もあります。自宅の金庫や仏壇まわりのほか、公正証書遺言は公証役場で検索できる仕組みがあり、自筆の遺言書が法務局に保管されているケースもあります。自宅で自筆の遺言書を見つけた場合は勝手に開封せず、家庭裁判所の「検認」という手続きが必要になることがある点に注意してください。
ステップ2:戸籍を集めて相続人を確定する
次に、亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍を集めて、相続人が誰かを確定します。「相続人はうちの兄弟だけ」と思っていても、戸籍をたどると前婚のお子さんや養子縁組が見つかることが、実務では時々あります。相続人が一人でも漏れたまま行った話し合いは原則やり直しになるため、丁寧に進めたい工程です。現在は広域交付制度により、本籍地が遠方でも最寄りの市区町村窓口で戸籍をまとめて請求できるケースが多くなっており、以前より負担は軽くなっています。
ステップ3:遺産分割協議で「誰が引き継ぐか」を決める
遺言書がない場合は、相続人全員で「その不動産を誰が引き継ぐか」を話し合います。これが遺産分割協議です。まとまったら遺産分割協議書を作成し、相続人全員が実印を押して印鑑証明書を添えます。ここで注意したいのが、決めきれずに「とりあえず共有名義」にしてしまうケースです。共有不動産の全体を売るには原則として共有者全員の同意が必要になるため、後の売却や活用で身動きが取りにくくなりがちです。誰か一人の単独名義にする、売却して代金を分けるなど、出口まで考えて決めるのがおすすめです。
ステップ4・5:必要書類を揃えて法務局へ申請する
方針が決まったら、戸籍一式・住民票・固定資産評価証明書・遺産分割協議書+印鑑証明書といった必要書類を揃え、不動産の所在地を管轄する法務局へ申請します。申請は窓口・郵送・オンラインから選べ、申請から完了までは通常1〜2週間程度、書類集めから数えると全体で1〜2か月程度を見ておくと現実的です。必要書類の詳しいリストや効率のよい集め方、申請書の書き方までは、相続登記を自分でやる方法の記事で手順ごとに解説しています。
名義変更にかかる費用|内訳は3つ
次に費用です。名義変更にかかるお金は、大きく「登録免許税」「書類取得の実費」「司法書士報酬」の3つに分かれます。いずれも2026年7月時点の一般的な目安として、順番に見ていきましょう。

①登録免許税:固定資産税評価額の0.4%が原則
もっとも大きいのが登録免許税です。金額は原則として、不動産の固定資産税評価額の0.4%。たとえば評価額1,000万円の実家なら4万円、2,000万円なら8万円が目安になります。ここで言う評価額は市場で売れる価格ではなく、毎年春ごろに届く固定資産税の納税通知書に付いている課税明細書で確認できる金額です。なお、評価額の低い土地などには登録免許税の免税措置が設けられている場合があるため、該当しそうな方は法務局サイトで最新の要件を確認してみてください。
②書類取得の実費:数千円〜1万円台が目安
次が戸籍などの書類代です。目安として、戸籍謄本は1通450円、除籍謄本や改製原戸籍は1通750円程度、住民票や固定資産評価証明書は1通数百円程度とされています。出生から死亡までの戸籍は3〜6通程度に分かれることも珍しくなく、相続人分の戸籍や印鑑証明書も合わせると、全体で数千円〜1万円台に収まるケースが多いというのが一般的な目安です。郵送で請求する場合は、定額小為替の手数料や往復の切手代も少しかかります。
③司法書士報酬:数万円〜十数万円程度が一般的
司法書士に依頼する場合は、上記の2つに加えて報酬がかかります。報酬は事務所や事案の内容によって変わりますが、一般的に数万円〜十数万円程度が目安とされています。相続人の数が多い、不動産が複数ある、戸籍の収集から丸ごと任せる、といった場合は高くなる傾向です。見積もりを取る際は、戸籍収集や協議書作成がどこまで含まれるかの内訳もあわせて確認すると安心です。総額のイメージとしては、評価額1,000万円の実家なら、自分でやると登録免許税4万円+実費で5万円前後、司法書士に依頼すると報酬を合わせて10万円台になることもあります(いずれも一般的な目安で、事案により変動します)。
費用と並んで気になるのが、「そもそもこの家にどのくらいの価値があるのか」ではないでしょうか。資産価値の目安が分かると、名義変更の後に売る・貸す・住むを考える材料になり、相続人同士の話し合いも進めやすくなります。当サイトの無料診断なら、物件情報を入力するだけで確認できます。
自分でやるか司法書士に頼むか|3つの判断軸
最後に、多くの方が迷う「自分でやるか、司法書士に頼むか」です。両者の費用差は主に報酬分の数万円〜十数万円。これを「書類集めと申請の手間・時間を買う費用」と考えると、比較しやすくなります。

自分でやるのに向いているケース
目安として、①相続人が配偶者と子どもだけ、②遺産分割の話し合いがまとまっている、③不動産が実家など1〜2件、という3つがそろっているなら、自分で申請するのは十分現実的です。あわせて、平日の日中に役所や法務局へ動ける時間を確保できるかも確認しておきましょう。具体的な手順や必要書類は、前述の自分でやる方法の記事を参考に進めてみてください。
司法書士に頼んだほうがいいケース
一方、祖父母の代の名義が残っている数次相続、相続人が多い・連絡の取れない人がいる、遺言の有効性に争いがある、といったケースは、書類も法律判断も一気に複雑になります。この場合は無理をせず、登記は司法書士へ、争いの調整は弁護士へと、早めに専門家を頼るほうが結果的に早くて確実なことが多いです。仕事や介護で時間を取りにくい方、実家と今の住まいが離れている方も、依頼を前向きに検討する価値があります。
迷ったら無料の相談窓口を入口にする
「どちらとも言い切れない」という方は、法務局の無料の「登記手続案内」(予約制・1回20分程度)で申請書の書き方などを確認したり、自治体や法テラスの無料相談を入口にしたりするのがおすすめです。案内で解決しない込み入った質問が出てきたら、司法書士に切り替えるサインと考えると判断しやすくなります。一人で抱え込まず、早めに相談することで選択肢が広がります。
※本記事は2026年7月時点の一般的な説明です。名義変更(相続登記)の進め方や必要書類、費用は個別の事情で変わります。具体的な判断は司法書士や管轄の法務局に、争いがある場合は弁護士に確認してください。
なお、名義変更が終わった後の実家を「売る・貸す・維持する」のどれにするか迷っている方は、実家の処分は何から始めるかの記事で選択肢の比較を解説しています。あわせて参考にしてみてください。
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相続手続きをまとめて任せたい場合の選択肢
ここまで名義変更を自分でやる場合と司法書士に頼む場合を見てきましたが、相続では名義変更だけでなく、相続税の申告や預貯金の解約などの手続きが同じ時期に重なることも少なくありません。複数の手続きを一つずつ手配するのが負担に感じる場合は、まとめて代行してもらう選択肢もあります。
相続アシストは、税理士・司法書士・弁護士が連携し、相続税の申告、戸籍の収集、不動産や預貯金の名義変更などをまとめて代行するサービスです。全国に対応しており、やり取りはオンラインや郵送で進められます。
- 料金の目安:基本料金は68万円(税込)からとされています(2026年時点)。決して安い金額ではないので、依頼する手続きの範囲と費用が見合うかをよく確認したうえで判断してください。
- まとめて代行が向くケース:相続人が多忙で時間を取りにくい、相続人が遠方や高齢で動きづらい、財産の構成が複雑、相続税の申告期限(相続開始から10か月)が迫っている、といった場合です。
- 個別に頼む選択肢もある:相続登記だけなら自分で申請すれば実費数万円で済み、司法書士に単発で依頼することもできます。相続税の申告だけなら税理士に個別に依頼する方法もあります。手続きが一つだけなら、まとめて代行しないほうが費用を抑えられることもあります。
- 申し込み後の流れ:フォームで申し込むと、担当者から電話またはメールで連絡があり、状況のヒアリングを受けたうえで正式に依頼するかどうかを判断できます。無料相談の段階で断ることもできます。
まとめ:名義変更は「流れ5ステップ×費用3つ」で全体像からつかもう
最後に、この記事の要点を整理します。
- 相続した不動産の名義変更(相続登記)は「①遺言確認 ②相続人確定 ③遺産分割協議 ④書類準備 ⑤法務局申請」の5ステップ。全体で1〜2か月程度が目安
- 費用の内訳は「登録免許税(固定資産税評価額の0.4%が原則)+書類実費数千円〜1万円台+依頼する場合の司法書士報酬数万円〜十数万円程度」(2026年7月時点の目安)
- 相続登記は義務化されており、取得を知った日から3年以内の申請が原則。放置は過料の対象になり得るほか、相続人が増えて手続きが複雑になりやすい
- 相続人が配偶者+子のみで話し合いがまとまっているなら自分でも可能。数次相続・相続人多数・争いがあるなら司法書士や弁護士へ早めに相談を
まずは①遺言書と登記簿(名義)の確認、②課税明細書で評価額のチェック、③家族と話し合う場づくり——この順番で、できるところから動き出してみてください。登録免許税や司法書士報酬など、相続の手続きで必要になるお金がいつ発生するかは、不動産取引で必要になる自己資金と支払時期の全体像で相続を含めて整理しています。
名義変更のその先、実家をどうするかまで考えるなら、資産価値の目安を知っておくと家族と話しやすくなります。無料で数分あれば確認できるので、気軽に試してみてください。


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