不動産売却で失敗する人の共通点5つ|元営業15年が数百件の現場で見た本音

不動産売却

「不動産売却って、どこに頼んでも結果は変わらないでしょ?」

そう思って始めた売却で、数百万円単位で損をする人を、私は15年間の現場で何度も見てきました。

失敗する人には明確なパターンがあるのです。

この記事では、仲介営業として数百件の売却を担当してきた私が、売主が陥りがちな5つの典型パターンと、その回避策を本音で解説します。


失敗パターン① 「高額査定」に引っ張られて市場より高く出す

一番多いのが、複数社の査定を取って一番高い会社に決めるというパターン。直感的には正しそうに見えますが、これが最も危険です。

理由はシンプル。査定額は「その会社がいくらで売ってくれるかの約束」ではなく、「売主の気を引くための提示額」だから。業界ではこれを「釣り査定」と呼びます。

【経験談】相場3,500万円の物件を4,500万円で出した結果

以前、都内のファミリーマンションの売却を相談されたお客様がいました。

うちを含めた他3社が査定額を3,400〜3,600万円で揃えていたのに対し、1社だけ4,500万円の査定を出してきた。お客様は「高く売りたい」という気持ちから、その1社に決めて4,500万円で売り出しました。

結果は予想通り。最初の1ヶ月、内覧ゼロ。その後も反響は月に2〜3件。半年後、ついに3,300万円まで下げてようやく成約。

結果、相場より安く売れた形です。長期化した物件は「何か問題があるのでは」と警戒されて、相場割れしやすいのです。

【関連記事】釣り査定の見抜き方

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失敗パターン② 媒介契約の種類を理解せずに決める

媒介契約には一般・専任・専属専任の3種類がありますが、違いを理解しないまま担当者に言われるまま契約する人が多すぎます。

  • 一般媒介 = 誰も本気を出しにくい
  • 専任媒介 = 囲い込みリスクがある

それぞれ特徴を知って、自分の状況で選ぶべき契約を決める必要があります。

【経験談】「とりあえず専任で」と言われて囲い込まれたお客様

ご高齢のお客様で、最初に相談された大手の担当者に「専任媒介で3ヶ月、任せてください」と言われてそのまま契約したケース。

その会社は両手取引狙いで、他社からの紹介を「売主都合で内覧できない」と断り続けていました。レインズには登録されていたので表面上はOK、しかし実態は囲い込み。

3ヶ月後、反響ゼロでご相談に来られて初めて発覚しました。

対処策は契約前に違いを理解すること、そしてレインズ登録証明と業務報告書を必ず確認することです。

【関連記事】媒介契約の選び方

専任媒介と一般媒介の違いと選び方


失敗パターン③ 内覧準備を甘く見る

「どうせリフォーム前提で買う人がくるでしょ」と、内覧準備に手を抜く売主が少なくありません。これが致命的です。

買主は写真ではなく、実際の内覧で購入を決めます。そして内覧は3〜5分の第一印象で9割が決まる。整理整頓されていない、においがする、暗い——この3点だけでアウトになります。

【経験談】同条件の2物件で結果が分かれた話

同じマンションの同じ階、同じ間取りの2部屋が同時期に売りに出たことがあります。

A室:売主が整理整頓を徹底し、内覧当日はカーテン全開、換気を済ませた状態で歓迎。

B室:生活感そのまま、日中でもカーテンを半分閉めて薄暗い。靴が玄関に散乱。

価格はほぼ同じ。でもA室は2ヶ月で成約、B室は半年かかって200万円値下げして成約。

同じ建物の同じ部屋でも、準備次第でこれだけ差がつきます。


失敗パターン④ 値下げのタイミングを逃して塩漬けになる

「このままいけば売れる」と根拠のない期待で値下げを先延ばしにするパターン。結果、物件が市場から飽きられて塩漬けになります。

私の経験則では、売り出しから3〜4週間で反響が弱ければ値下げを検討すべきです。ダラダラ引っ張るほど、相場割れしやすくなります。

【経験談】3ヶ月早く値下げしていれば200万円高く売れた話

3ヶ月間、月に1〜2件の内覧しかない状態が続いたお客様。「もう少し様子を見たい」と値下げを拒否し続けた結果、6ヶ月後に大幅値下げ(−400万円)でようやく成約。

もし3ヶ月の段階で−200万円の値下げを決断していれば、その価格帯で買う買主層の熱が残っていたはず。結果、動きが遅くなるほど値下げ幅は大きくなるのが不動産の性質です。


失敗パターン⑤ 担当者を見極めずに契約する

最後にして最も重要なパターン。

会社の規模や査定額ではなく、担当者個人の実力と誠実さが売却結果に最も大きな影響を与えます。ところが、多くの売主は担当者を見極めないまま契約する。

【経験談】大手A社の新人より、中小B社のベテランの方が高く売った話

私が担当してきたお客様で、「大手だから安心」と思って契約した担当者が入社半年の新人で、ろくに相場も理解していなかったケースは多々あります。

逆に、10〜20人規模の地場業者のベテラン営業の方が、土地勘と人脈でしっかり売ってくれることもある。会社の看板より、目の前の担当者がプロかどうかを見るべきです。

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まとめ:失敗を避ける3つの鉄則

15年見てきた経験から、失敗を避けるためのシンプルな鉄則を3つに絞ります。

  1. 査定額の高さで選ばない。相場を自分で把握してから選ぶ
  2. 契約前に、担当者本人と30分以上話す
  3. 売り出し後3〜4週間で反響を評価し、遅ければ躊躇なく動く

売却は人生で数えるほどしか経験しないイベントだからこそ、知識のない側がプロに飲まれがちです。でも、たった3つの鉄則を押さえるだけで、結果は大きく変わります。

この記事で紹介したパターンに当てはまりそうだと感じたら、まず現状を客観視することから始めてください。

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