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不動産の仲介手数料とは?まず基本を押さえよう
不動産を売ったり買ったりするとき、不動産会社に支払う報酬が「仲介手数料」です。
私は不動産売買仲介の営業マンとして15年間働いてきました。お客さんから一番多く聞かれた質問が「仲介手数料っていくらかかるんですか?」でした。
結論から言うと、仲介手数料には法律で決まった「上限」があります。 そしてこの上限が、ほぼすべての不動産会社で「定価」として請求されているのが実態です。
この記事では、仲介手数料の上限がどう決まるのか、価格帯ごとにいくらになるのかを、早見表と具体例で整理します。2024年7月に変わった800万円以下の物件のルールにも触れます。値引き交渉の進め方については、別の記事に詳しくまとめています。
仲介手数料の計算方法|「3%+6万円」の正体

仲介手数料は、宅地建物取引業法で上限額が定められています。
| 売買価格 | 仲介手数料の上限 |
|---|---|
| 200万円以下の部分 | 5%(+税) |
| 200万円超〜400万円以下の部分 | 4%(+税) |
| 400万円超の部分 | 3%(+税) |
これを毎回計算するのは面倒なので、400万円超の物件(ほとんどの物件がこれ)は簡易計算式が使われます。
仲介手数料 = 売買価格 × 3% + 6万円(+消費税)
この「+6万円」は端数調整のためのもの。3段階の料率を1つの式にまとめた結果です。
具体例:
- 2,000万円の物件 → 2,000万×3%+6万=72.6万円(税込)
- 3,000万円の物件 → 3,000万×3%+6万=105.6万円(税込)
- 5,000万円の物件 → 5,000万×3%+6万=171.6万円(税込)

決して安い金額ではありません。ここまでが「400万円超の物件」の話ですが、価格帯によっては別のルールが適用されます。
価格帯別・仲介手数料の上限早見表
売買価格ごとの上限額(税込・消費税10%で計算)をまとめました。あくまで上限であって、この金額を必ず払わなければならないという意味ではありません。
| 売買価格 | 仲介手数料の上限(税込) |
|---|---|
| 500万円 | 23万1,000円 |
| 1,000万円 | 39万6,000円 |
| 2,000万円 | 72万6,000円 |
| 3,000万円 | 105万6,000円 |
| 4,000万円 | 138万6,000円 |
| 5,000万円 | 171万6,000円 |
| 7,000万円 | 237万6,000円 |
| 1億円 | 336万6,000円 |
※ 400万円超の物件に速算式(価格×3%+6万円)を当てはめ、消費税10%を加えた金額です。800万円以下の物件は、次に説明する特例により金額が変わる場合があります。
800万円以下の物件は2024年7月にルールが変わりました
低価格の物件では、上の速算式とは別の特例が使われることがあります。2024年7月1日以降に締結する契約から、売買価格が800万円以下の宅地・建物については、売主・買主のそれぞれから最大33万円(税込)まで受け取れるようになりました。国土交通省が2024年6月に公表した「不動産業による空き家対策推進プログラム」にもとづく告示改正によるものです(出典: 公益社団法人全日本不動産協会「空き家媒介報酬が倍増!2024年7月改正」/2026年8月時点)。
それ以前は「400万円以下・売主からのみ・最大18万円(税別)」という、対象も金額も狭い特例でした。名称に「空家等」とありますが、空き家であることは条件ではなく、価格が800万円以下であれば対象になります。
売主側から見ると、これは負担が増える方向の改正です。たとえば600万円の物件なら、速算式では26万4,000円ですが、特例が適用されると33万円になり得ます。ただしこの特例を使うには、あらかじめ依頼者への説明と合意が必要とされています。媒介契約を結ぶ前に「特例を適用するのか、いくらになるのか」を必ず確認してください。後から知らされてもめる、というのが一番避けたいパターンです。
地方の空き家や、相続した築古の家など、価格が低くなりやすい物件を売る方は特に注意が必要な部分です。逆に、この改正によって「安い物件は手間ばかりかかって割に合わない」と敬遠されていた状況が改善され、引き受けてくれる会社が増えるという面もあります。
上限は「定価」ではない|値引き交渉について
ここまで見てきた金額は、宅地建物取引業法が定める「上限」であって「定価」ではありません。ほぼすべての不動産会社が上限額を請求しているのが実態ですが、法律上、値引き交渉ができないわけではありません。
ただし、15年の現場経験から正直に言うと、値引きは「できるかどうか」より「どう切り出すか」で結果が変わります。同じ内容でも、伝え方とタイミング次第で通ることもあれば、担当者のやる気を削いで売却活動そのものが雑になることもあります。手数料を数万円下げた結果、売却価格が数十万円下がっては本末転倒です。
交渉が通りやすいケース・やめておいた方がいいケース、営業担当に嫌われない具体的な言い方については、仲介手数料の値引き交渉|元営業マンが教える「通る言い方」と「嫌われる言い方」で詳しく書いています。交渉を考えている方はそちらをお読みください。
「仲介手数料無料」の不動産会社は大丈夫?
最近「仲介手数料無料!」を売りにする会社が増えています。
仕組みはシンプルです。売主側からだけ手数料をもらい、買主側を無料にするというモデルが多いです(またはその逆)。
これ自体は詐欺でもなんでもなく、正当なビジネスモデルです。ただし注意点もあります。
注意点:
- 無料にする分、対応がドライになる可能性がある
- 物件の選択肢が限られる場合がある(自社物件のみ紹介など)
- 「無料」の代わりに別の費用(事務手数料、ローン代行手数料等)を請求されるケースがある
「無料」という言葉に飛びつく前に、トータルコストで比較することが大切です。
仲介手数料以外にかかる費用も忘れずに
仲介手数料だけに目が行きがちですが、不動産取引には他にもコストがかかります。
売却時:
購入時:
- 登記費用:20〜40万円
- ローン保証料:借入額の2%程度
- 火災保険:10〜30万円
- 固定資産税精算金:引渡し日による
※売却にかかる費用の詳細は、別記事で解説予定です。
仲介手数料を払う価値はあるのか?
15年間、仲介手数料をいただく側にいた私が言うのも変ですが、良い営業マンに当たれば、手数料以上の価値があると断言します。
なぜなら、
- 相場より高く売れれば、手数料分は回収できる
- 値引き交渉を代行してくれる
- 契約書・重説など法律書類を作成してくれる
- トラブル発生時の対応をしてくれる
逆に言えば、悪い営業マンに当たったら手数料を払う意味がない。だからこそ、不動産会社選びが最も重要なのです。
複数社を比較して選ぶためには、一括査定サービスが便利です。
まとめ|仲介手数料で損しないために
この記事のポイント:
- 仲介手数料の上限は「売買価格×3%+6万円+税」
- 法律上は値引き可能だが、タイミングと状況が重要
- 売却依頼の段階での値引きは営業マンのモチベーションに影響するリスクあり
- 値引き交渉は契約成立後がベスト
- 「仲介手数料無料」はトータルコストで判断
- 良い営業マンなら手数料以上の価値がある
まずは複数の不動産会社を比較して、信頼できる会社を見つけることが第一歩です。
手数料の計算より先に、そもそも「いくらで売れそうか」の相場観を持っておくと、交渉全体がスムーズになります。無料で数分あれば資産価値の目安を確認できます。
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査定額は不動産会社によって差が出ることがあります
同じ物件でも、その会社が得意なエリアか、手元にどんな成約事例と購入希望者を持っているかによって、出てくる査定額は変わることがあります。1社の金額だけを見て「これが相場だ」と受け取ってしまうと、あとから「もっと条件のよい売り方があったのでは」と感じる原因になりがちです。金額そのものより、なぜその価格になるのかという根拠の説明を並べて比べてみてください。
複数社へまとめて査定を依頼できるのが一括査定サービスです。利用は無料ですが、申し込むと複数の会社から連絡が来る点は先に知っておきたいところです。電話のやり取りが負担なら、申込時の要望欄に「メール希望」と書き添えておく方法があります。また、査定額はあくまで各社の売却予想価格であり、その金額での成約を保証するものではありません。
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個別の状況によって最適解は異なりますので、複数の専門家に相談されることをおすすめします。
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