住友不動産ステップは、引渡し後の建物・設備保証に加えて、清掃や補修、プロカメラマン撮影、バーチャルステージング、そして家財を運び込む本格的なホームステージングまで、売却前後を支えるメニューを幅広くそろえています。ただし、メニューが多い分、対象となる築年数や面積、査定価格、対象エリア、媒介契約の種類がサービスごとに異なるのが特徴です。この記事では、公式サイトで確認できる情報をもとに、住友不動産ステップの主要サービスと利用条件、注意点を整理します。

結論:住友不動産ステップが向いている人
結論から言うと、住友不動産ステップは高価格帯の空室を実物の家具で演出したい人や、戸建・土地の売却で写真や清掃だけでなく測量・草刈りまで相談したい人、そして個人向けの通常仲介と業者買取候補の比較を両にらみで検討したい人に向いている傾向があります。特にホームステージングは、査定価格や築年数、エリアの条件を満たす空室であれば、購入希望者に生活イメージを伝えやすくする効果が期待できるとされています。一方で、保証系サービスは同社の会員組織への加入が条件として案内されているなど、メニューごとに前提が異なるため、まず自分の物件がどのメニューの対象になりそうかを担当者に確認することが最初の一歩になります。

住友不動産ステップの売却サービス一覧
住友不動産ステップの売却関連サービスは「ステップエスコート」という名称でまとめられています。建物・設備の保証、清掃・補修、プロカメラマン撮影・バーチャルステージング、実物家具によるホームステージング、土地の測量調査・草刈り、そして買取候補を比較する「ステップオークション」まで、内容は多岐にわたります。ただし、ステップエスコートの全メニューが同じ条件で使えるわけではありません。会員条件、会社の判断、対象エリア、築年数や面積、査定価格に対する売出価格の上限など、サービスごとに個別の条件が設定されています。次の章から、主要なサービスを一つずつ見ていきます。

サービス全体の一覧は公式サイトのステップエスコート一覧および売却サービス一覧で確認できます。
目玉サービス1:建物補修保証
建物補修保証は、引渡し後2年間、雨漏りやシロアリ被害、構造耐力上主要な部分の腐食といった不具合が見つかった場合に、最大500万円まで補修費用を保証する仕組みです。売却後にこうしたトラブルが見つかると、売主が契約不適合責任を問われる可能性がありますが、この保証があることで、引渡し後のリスクをある程度カバーできると案内されています。

ただし、注意したい点が2つあります。1つは、この保証系サービスが同社の会員組織「住友不動産のふれあい+S」の会員であることを条件として案内されている点です。もう1つは、対象となる築年数や媒介契約の種類(専任媒介か専属専任媒介か、あるいは一般媒介でも対象かなど)について、公式ページ本文に一律の数値が明記されていない点です。推測で「築◯年以内」「専任媒介限定」と決めつけず、自分の物件が対象になるかは担当店舗へ確認するのが確実です。
公式:建物補修保証
目玉サービス2:住宅設備保証
住宅設備保証は、給湯器やキッチン、浴室などの設備が故障した際の修理費用を保証するサービスです。保証期間は、売主が引渡し後7日間の責任を負い、その後は買主向けの期間を含めて最長2年間とされています。売主が負う短い期間と、買主が引き継ぐ長い期間を分けて理解しておくと、契約時の説明を受けたときに混乱しにくくなります。
一方で、住宅設備保証については、建物補修保証のような「最大500万円」といった具体的な上限額が公式ページ本文で明記されていません。保証の上限額や対象設備の範囲は、店舗への確認が必要な項目として扱ってください。こちらも建物補修保証と同様、会員組織への加入が前提として案内されています。
公式:住宅設備修理保証
売却前の販売支援|清掃・撮影・VR・ホームステージング
清掃・補修・プロ撮影・バーチャルステージング
住友不動産ステップは、水回りやマンション全体の清掃、壁・床の部分補修、空き地の草刈りといった、物件の見た目を整えるメニューを用意しています。あわせて、プロカメラマンによる撮影や、家具を合成するバーチャルステージング、建物の状態を確認する建物健康診断なども案内されています。これらのメニューの一部、特に土地・建物検査については有償で実施される場合があるため、無料か有償かは事前に確認しておくと安心です。
ホームステージング|条件が細かく設定されている目玉メニュー
ホームステージングは、空室にプロがコーディネートした実物の家具・小物を設置し、購入希望者が生活をイメージしやすくする演出サービスです。住友不動産ステップのホームステージングは、対象条件が特に細かく設定されている点に注意が必要です。
- 対象物件:家財が残っていない空室であること
- 築年数:2000年1月1日以降築
- 面積:マンションは壁芯50㎡以上、戸建は建物80㎡以上
- 査定価格:首都圏6,000万円以上、関西圏・東海圏5,000万円以上
- 対象エリア:首都圏・関西圏・東海圏
- 媒介契約:専任媒介または専属専任媒介を3か月で締結
- 売出価格:当初売出価格が査定価格の140%以内
- 仲介手数料:規定の仲介手数料を支払うこと
- 家具の設置期間:最長3か月
- その他:電気が使用できる状態であること
これだけの条件がそろって初めて対象になるサービスのため、「空室だから使える」と単純に考えず、査定価格やエリア、築年数を含めて一つずつ確認することが大切です。条件を1つでも外れると対象外になり得る点は、申込み前に必ず押さえておきたいポイントです。
公式:ホームステージング
ホームステージングや保証サービスの条件を満たすかどうかを判断する前に、まずは自宅がいまどのくらいの価格で売れそうかの目安を知っておくと、査定価格を基準にした条件(140%以内など)を確認しやすくなります。
土地・買替え・買取関連サービス
土地測量調査
土地・戸建・事業用不動産を対象にした土地測量調査では、現況測量、境界標・越境の確認、セットバックの概算、簡易的な高低測量などを行います。対象は敷地500㎡以内、査定価格1,500万円以上で、媒介契約は専任媒介または専属専任媒介を3か月で締結すること、当初売出価格が査定価格の140%以内であることが条件です。加えて、会社が売却活動上必要と判断した場合に提供されるメニューであり、条件を満たせば自動的に利用できるとは限りません。
もっとも重要な注意点は、この測量が確定測量ではないということです。現況測量は、隣地の所有者と立ち会って境界を確定させる「確定測量」の代わりにはなりません。境界を正式に確定させたい場合は、別途、土地家屋調査士に確定測量を依頼する必要があります。
公式:土地測量調査
ステップオークション
「ステップオークション」は、専門部署を通じて8,500社を超える不動産会社へ物件情報を提供し、買取候補となる会社を比較する仕組みです。一般の個人購入希望者に向けた通常の仲介活動とは別のルートで、早期に売却先を見つけたい場合の選択肢として案内されています。住友不動産ステップ自身が直接買い取る「自社買取」とは異なる点に注意してください。あくまで複数の買取候補会社を比較する仕組みであり、東急リバブルの「売却保証」のように期限までに売れなければ会社が買い取る仕組みとも性質が異なります。
利用条件|専任媒介、築年数、面積、価格上限
サービスごとの利用条件を整理すると、次のようになります。建物補修保証・住宅設備保証は会員条件が明確な一方で、媒介契約の種類や築年数は公式ページ本文に一律の記載がなく、店舗確認が必要です。ホームステージングと土地測量調査は、専任媒介・専属専任媒介であることと、売出価格が査定価格の140%以内であることが共通しています。
| サービス | 媒介契約 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 建物補修保証 | 公式ページに一律の記載なし(店舗確認) | 「住友不動産のふれあい+S」会員であること |
| 住宅設備保証 | 同上 | 同上。保証上限額も店舗確認 |
| ホームステージング | 専任・専属専任3か月 | 空室・家財なし、2000年1月以降築、マンション壁芯50㎡以上・戸建80㎡以上、査定価格首都圏6,000万円以上・関西/東海5,000万円以上、対象エリア首都圏・関西圏・東海圏、売出価格が査定の140%以内、規定仲介手数料、家具設置最長3か月 |
| 土地測量調査 | 専任・専属専任3か月 | 敷地500㎡以内、査定価格1,500万円以上、売出価格が査定の140%以内、会社が必要と判断した場合に提供 |
売却の全体的な流れや、媒介契約の種類による違いを先に押さえておきたい方は、不動産売却の流れもあわせて確認しておくと、どのタイミングでどのサービスを申込むべきか判断しやすくなります。
メリット
- 建物・設備の保証に加え、清掃・補修・撮影・VR・ホームステージングまで、売却前後を支えるメニューが幅広い
- ホームステージングは実物家具を使うため、写真だけでは伝わりにくい生活イメージを購入希望者に見せやすい
- 土地の現況測量や空地の草刈りなど、戸建・土地の売却で見た目や境界情報を整理しやすい
- ステップオークションにより、通常の個人向け仲介と並行して買取候補を比較する選択肢がある
デメリット・注意点
- ステップエスコートの全メニューが同じ条件ではない。あるサービスが使えても、別のサービスは対象外ということが起こり得る
- 保証系サービスは会員組織への加入が案内されており、会社側の判断や対象エリアの制限もあるため、条件を確認せずに「専任媒介にすれば全部使える」と考えないほうがよい
- 土地測量調査は確定測量ではなく、隣地立会いによる境界確定の代わりにはならない。境界を正式に確定させたい場合は別途、確定測量を依頼する必要がある
- 建物補修保証・住宅設備保証は、対象となる築年数や設備保証の上限額が公式ページ本文に一律で示されていないため、思い込みで判断せず店舗へ確認する
他社との違い
住友不動産ステップの立ち位置を理解するには、他社と並べて見るとわかりやすくなります。たとえば、東急リバブルや野村の仲介+は、期限までに売れなければ会社があらかじめ合意した価格で買い取る「売却保証」「買換保証」を用意していますが、住友不動産ステップの「ステップオークション」は、複数の買取候補会社を比較する仕組みであり、性質が異なります。また、三井のリハウスの「360°サポート」は一般媒介契約の売主も対象と案内されている一方、住友不動産ステップのホームステージングや土地測量調査は専任媒介・専属専任媒介が条件です。
ホームステージングについても、野村の仲介+は築20年以内・マンション50㎡以上/戸建80㎡以上を条件としています(詳細は野村の仲介+の解説記事を参照)。これに対し住友不動産ステップは2000年1月以降築で、かつ査定価格が首都圏6,000万円以上・関西/東海5,000万円以上という価格帯の条件が加わる点が特徴です。高価格帯の空室に強みがある一方、対象になる物件の幅は他社より狭くなる傾向があるといえます。
会社全体の規模で見ると、2025年度(2025年4月〜2026年3月)の実績で住友不動産ステップは取扱高1兆4,884億円・手数料収入732億円・取扱件数28,848件で、大手仲介の中では取扱高4位、従業員数は2026年3月31日時点で3,060名です。ただし、こうした実績の規模は会社全体の傾向であり、個々の物件の売却価格やサービスの質を直接示すものではありません。8社全体の保証・清掃・土地サービスを横並びで比較したい場合は大手8社の専任媒介サービス比較、各社の取扱高・手数料収入・件数といった実績を比較したい場合は不動産仲介会社ランキングTOP10もあわせてご覧ください。
申込み前に担当者へ確認する質問
住友不動産ステップに相談する際は、次のような質問を担当者にしておくと、思い込みによる後悔を避けやすくなります。
- この物件は建物補修保証・住宅設備保証の対象か。対象外なら理由は何か
- 保証系サービスを使うために必要な会員(ふれあい+S)の加入条件や費用はどうなっているか
- ホームステージングの対象条件(築年数・面積・査定価格・エリア・売出価格140%以内)を、この物件は満たしているか
- 土地測量調査は会社が「必要」と判断すれば必ず受けられるのか、それとも別途申請が必要か
- 複数のサービスを併用できるか。できない場合、優先順位はどう決めるべきか
- 売出価格を変更すると、保証やホームステージングの適用対象から外れることがあるか
- ステップオークションを利用した場合、通常の仲介活動と両立できるのか、仲介手数料の扱いはどうなるか
まとめ:住友不動産ステップは条件を先に確認してから活用する
最後に、この記事の要点を整理します。
- 住友不動産ステップの「ステップエスコート」は、建物・設備保証、清掃・撮影・VR、ホームステージング、土地測量調査、買取候補を比較する「ステップオークション」まで幅広いメニューをそろえている
- 建物補修保証は引渡し後2年・最大500万円、住宅設備保証は売主7日+買主分を含め最長2年。いずれも会員組織「住友不動産のふれあい+S」への加入が案内されており、築年数や設備保証の上限額は店舗確認が必要
- ホームステージングは、築年数・面積・査定価格・対象エリア・媒介契約・売出価格(査定の140%以内)など複数の条件がそろって初めて対象になる
- 土地測量調査は確定測量ではなく、ステップオークションも自社買取ではない。用語の意味を混同しないことが大切
サービスの多さだけで判断せず、自分の物件の築年数・面積・査定価格・エリア・媒介契約が、利用したいメニューの条件に合っているかを一つずつ確認することが、住友不動産ステップを使いこなす近道です。
気になるサービスが条件に合うかを判断する第一歩として、まずは自宅の資産価値の目安を確認しておくと、査定価格を基準にした条件と照らし合わせやすくなります。
※2026年7月時点。サービス内容・対象エリア・条件は変更または終了する場合があります。


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