ローン中の家を売るには?完済の流れとオーバーローン時の4つの選択肢

住宅ローンの残高を確認しながら家の売却を考えるイメージ 不動産売却

[PR]※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。 記事内の一部リンクから資料請求・お申し込みがあった場合、当サイトに報酬が支払われます。報酬の有無で評価順位や内容を変えることはありません。

「住宅ローンがまだ残っているけれど、家を売ることはできるのだろうか」。住み替えや転勤、家計の見直しで売却を考え始めた方から、最初によく聞かれる質問です。結論からお伝えすると、ローン返済中の家でも売ることはできます。条件は、引き渡しまでにローンを完済し、金融機関が設定している抵当権を外すことです。ただし、売却代金だけで完済できるかどうかで進め方が大きく変わります。この記事では、残債と手取りの比べ方、決済日に起きること、売っても完済できないオーバーローンのときの選択肢までを、売買仲介の実務の流れに沿って整理しました(2026年10月時点)。

住宅ローンの残高を確認しながら家の売却を考えるイメージ

ローン中でも家は売れる:鍵は「完済」と「抵当権抹消」

住宅ローンを借りると、金融機関は家と土地に抵当権を設定します。返済が滞ったときに家を売って回収できる権利です。この抵当権が付いたままの家を買う人はまずいませんし、買主にお金を貸す金融機関も融資を認めません。そのため、売却では引き渡しまでにローンを完済して抵当権を外すことが必須になります。

売却の手取りとローン残高を比べるアンダーローン・オーバーローンの判定イメージ

完済は「売れたお金」で行うのが一般的

「先にローンを全部返さないと売り出せない」と思われがちですが、そうではありません。ローンが残ったまま売り出し、買主が見つかって売買契約を結び、引き渡しの日に受け取る売却代金で完済するのが一般的な流れです。売り出しや査定の段階で金融機関に連絡する必要もありません。

決済日に起きること

引き渡しの日(決済日)は、多くの場合、買主が融資を受ける金融機関の一室に関係者が集まります。買主のローンが実行されて代金が売主の口座に入ると、その場で売主のローンを一括返済し、司法書士が抵当権の抹消と所有権移転の登記をまとめて申請します。売主側は事前に、借入先の金融機関へ一括返済の申し出をしておく必要があります。申し出の期限は金融機関によって異なり、1か月ほど前を求められることもあるため、売買契約を結んだらすぐに連絡するのが安心です。

まず判定:アンダーローンかオーバーローンか

進め方を決める物差しは一つです。「売って手元に入るお金」で「ローン残高」を返し切れるかどうかを確かめます。

決済日に金融機関で行う完済と抵当権抹消の手続きのイメージ

ローン残高を確認する

残高は、返済予定表(償還予定表)、金融機関のネットバンキング、年末に届く残高証明書で確認できます。売却の時期を想定して、その時点の残高を見ておきましょう。

手取り見込みを計算する

見落としやすいのが、売却価格がそのまま手元に残るわけではない点です。売却価格から、仲介手数料、抵当権抹消の費用、一括返済の手数料、売買契約書の印紙税などを差し引いた額が手取りになります。仲介手数料の上限は、売却価格が400万円を超える場合「売却価格×3%+6万円」に消費税を加えた額で、3,000万円で売れれば最大105万6,000円(税込)です。抵当権抹消の登録免許税は不動産1個につき1,000円で、土地と建物なら2,000円、これに司法書士の報酬が加わります。一括返済の手数料は無料から数万円まで金融機関や手続き方法で異なり、固定金利の期間中は高めに設定されていることがあります(いずれも2026年10月時点の目安)。先払いになる費用は不動産売却で持ち出し(自己資金)はいくら必要かで詳しく解説しています。

判定の目安

「手取り見込み − ローン残高」がプラスならアンダーローン、マイナスならオーバーローンです。ここで使う売却価格は、査定額ではなく「実際に売れそうな価格」で考えるのがポイントです。査定額は各社の予想にすぎず、相場より高めの査定を信じて計画を立てると、値下げのたびに資金計画が崩れます。仲介の現場では、ぎりぎりの計算で売り出した結果、値下げできずに売れ残ってしまうケースが少なくありません。

PR・広告

判定の精度は「売れそうな価格」の精度で決まります

アンダーかオーバーかの判定は、売却価格の見込み次第で結果が変わります。1社の査定だけで計画を立てると、その金額が高すぎた場合に資金計画ごと崩れてしまいます。複数社の査定額を並べ、なぜその価格になるのかという根拠を比べると、現実的な売却価格が見えてきます。

一括査定サービスを使うと、複数社へまとめて査定を依頼できます。利用は無料ですが、申し込むと複数の会社から連絡が来る点は先に知っておきたいところです。電話が負担なら、要望欄に「メール希望」と書き添える方法があります。査定額は各社の売却予想価格で、その金額での成約を保証するものではありません。

無料で複数社の査定額を比べてみる

まだ売ると決めていない段階なら、匿名で使える60秒の資産価値診断から始めても構いません。一括査定の仕組みと選び方は不動産一括査定おすすめ比較で解説しています。

アンダーローンなら:売り方と住み替えの順番

手取りで完済できるなら、売却そのものは通常の売却と同じように進められます。残ったお金は手元に入り、新居の頭金などに充てられます。売却益が出た場合でも、マイホームを売ったときの3,000万円の特別控除などの特例が使えることがありますが、要件があるため国税庁の案内や税理士で確認してください。

ローン完済後に家を引き渡して住み替えるイメージ

住み替えは「売り先行」か「買い先行」か

住み替えでは、今の家を先に売る「売り先行」と、新居を先に買う「買い先行」のどちらかを選びます。売り先行は資金計画が確定しやすい一方、仮住まいが必要になることがあります。買い先行は引っ越しが一度で済む反面、売れるまで二つのローンを抱える期間が生まれやすく、家計の負担が重くなります。新居の売買契約に「今の家が期日までに売れなければ契約を解除できる」という買い替え特約を付けられないか交渉するのも一つの方法です。全体の段取りは不動産売却と住み替えの流れにまとめています。

オーバーローンなら:4つの選択肢と順番

手取りで完済できない場合でも、すぐに売れなくなるわけではありません。不足分をどう埋めるかで、取れる道が変わります。

①差額を自己資金で補う

預貯金で差額を用意できれば、通常の売却と同じ流れで進められます。親から資金援助を受ける場合は、金額によって贈与税がかかることがあるため、事前に税理士や税務署へ確認しておきましょう。

②住み替えローンで新居のローンにまとめる

住み替えローンは、今の家の残債を新居の購入資金と一緒に借りられるローンです。手元資金がなくても住み替えができる一方、借入額が新居の価格を上回るため審査は厳しく、毎月の返済額も増えます。取り扱いのない金融機関もあるため、「借りられるか」より「無理なく返せるか」で判断してください。

③売らずに待つ・貸す

急いで売る理由がなければ、返済を続けて残高が減るのを待つのも現実的な選択です。賃貸に出す方法もありますが、住宅ローンは本人が住むことが前提のため、無断で貸すと契約違反になるおそれがあります。転勤などで貸す場合は、先に金融機関へ相談してください。

④返済が難しいなら任意売却

すでに返済が苦しい、滞納が続いているという場合は、金融機関の同意を得て売却する任意売却が選択肢になります。競売より市場価格に近い金額で売れる可能性がある一方、滞納を経ていることが多いため信用情報に記録が残り、売却後も残った債務の返済は続きます。滞納するとどうなるかは住宅ローンが払えないとどうなる?、手続きと売却後の生活は任意売却の流れとその後で解説しています。

任意売却を考えるなら、競売の手続きが進む前に相談するほど選べる手段が増えます。任意売却を専門に扱う相談窓口「リトライ」では、無料相談を受け付けています(2026年10月時点)。申し込むと担当者から電話またはメールで連絡が来るため、対応できる時間帯を書き添えておくとスムーズです。任意売却は、仲介会社による任意売却や、弁護士・司法書士への相談(債務整理を含む)という道もあるため、複数の窓口を比べたうえで判断してください。

任意売却の無料相談窓口(リトライ)を見る

なお、住宅ローンが残る家を売って譲渡損失が出た場合、一定の要件を満たせば、その損失をほかの所得と損益通算したり翌年以降に繰り越したりできる特例があります(国税庁 No.3390)。適用期限や要件は税制改正で変わるため、売却前に国税庁の最新の案内か税理士で確認してください。

よくある質問

売却活動中もローンの返済は続けるべきですか?

続けてください。売却が決まるまでは通常どおり返済が必要です。滞納すると遅延損害金がかかるうえ、期限の利益を失って一括返済を求められ、任意売却や競売に進むおそれがあります。返済が苦しい場合は、滞納する前に借入先の金融機関へ返済条件の変更を相談するのが先です。

査定を頼む前に、銀行へ連絡する必要はありますか?

査定や売り出しの段階では不要です。金融機関への連絡が必要になるのは、売買契約を結んで決済日が決まったあとの一括返済の申し出です。ただし住み替えローンを使う場合や、オーバーローンで差額の扱いを相談したい場合は、早めに金融機関へ相談しておくと選択肢が広がります。

抵当権抹消の手続きは自分でできますか?

法務局への申請は自分で行うこともできます。ただ売却の決済では、所有権移転と抵当権抹消を同じ日に確実に行う必要があるため、買主側と同じ司法書士にまとめて依頼するのが一般的です。費用は登録免許税(不動産1個につき1,000円)と司法書士の報酬です(2026年10月時点)。

まとめ:最初にやるのは「残債」と「手取り」の比較

  • ローン中の家も売れる。引き渡しまでに完済し、抵当権を抹消することが前提
  • 完済は決済日に売却代金で行うのが一般的。売買契約後すぐに金融機関へ一括返済を申し出る
  • 「手取り見込み(売却価格−諸費用)− ローン残高」で、アンダーローンかオーバーローンかを判定する
  • オーバーローンなら、自己資金→住み替えローン→売らずに待つ、の順で検討する
  • 返済が難しい場合の任意売却は、滞納が長引く前に相談する。売却中もローンの返済は止めない

ローンが残っている売却で失敗が起きやすいのは、売却価格を高く見積もったまま計画を立ててしまうときです。まずは残高と、実際に売れそうな価格を落ち着いて確かめるところから始めてみてください。

売却価格の目安が分かると、アンダーローンかオーバーローンかの見当が付きます。匿名・無料で、その場で結果を確認できます。

わが家の資産価値の目安を無料でチェックする

※本記事は2026年10月時点の公開情報にもとづく一般的な説明であり、個別の事案について結論を保証するものではありません。返済や一括返済の条件は借入先の金融機関、税務は税理士や税務署、登記は司法書士、債務整理は弁護士・司法書士へご確認ください。

この記事を書いた人

鈴木 悠平(宅地建物取引士・2級FP技能士)

銀行系不動産会社で13年、不動産エージェントとして2年、通算15年以上売買仲介に携わり、新潟・八王子/府中・池袋など特性の異なるエリアで、売主・買主双方の立場から半期100件以上のご相談に対応してきました。「知らないだけで損をしてしまう」ケースを現場で数多く見てきた経験から、不動産売買で損をする人を一人でも減らすことを目指し、当サイト「イエノミカタ」を運営しています。

運営者情報をくわしく見る →

コメント

タイトルとURLをコピーしました