根抵当権

抵当権とは、一定の範囲で将来発生する複数の借入れを、まとめて担保するための抵当権です。 住宅ローンのように「この借金1本」を担保するのではなく、極度額の範囲内で繰り返し借り入れができるのが特徴です。主に事業性融資で使われることが多く、不動産の売却や相続の場面では注意が必要です。

根抵当権をわかりやすく解説

根抵当権は、将来にわたって生じる借入金や債務を、あらかじめ決めた「極度額」の範囲で担保する権利です。通常の抵当権は、たとえば「この住宅ローン残高を返すまで」という形で特定の債権を担保しますが、根抵当権は一度設定しておくと、その後の借入れや返済を繰り返しても、都度設定し直す必要がありません。銀行からの運転資金の借入れ、事業資金の枠取り、複数回の借入れが見込まれる取引などでよく利用されます。
ポイントは、担保の上限が「極度額」で決まることと、元本がまだ確定していない段階では、借入れ総額がその枠内で動くということです。極度額は借入可能額の上限のようなものですが、実際の借入残高そのものではありません。そのため、売却時には「今いくら借りているか」だけでなく、「根抵当権が付いたままか」「元本が確定しているか」も確認することが大切です。

実務での注意点・よくあるケース

不動産の売買では、根抵当権が残っている物件は要注意です。売主側は、物件を引き渡すまでに金融機関と調整し、完済や解除の手続きを進めるのが一般的です。買主側は、登記簿に根抵当権が付いていると「将来の借入れまで担保されるのでは」と不安になりますが、通常は売買代金で返済し、抹消登記をしてもらうことで解消できます。
ただし、次のようなケースでは確認が重要です。

  • 事業用地や店舗・工場などで、事業資金の借入れに根抵当権が設定されている
  • 相続した不動産に、被相続人の借入れに伴う根抵当権が残っている
  • 複数の不動産に共同で根抵当権が付いている

売主目線では、残債が少なくても、根抵当権の抹消には金融機関の同意や必要書類の準備が必要です。買主目線では、抹消できる見込みがあるか、決済日までに手続きが間に合うかを早めに確認しておくと安心です。なお、元本確定前の根抵当権は、一般の抵当権より扱いが少し複雑なので、司法書士や金融機関に事前相談するとスムーズです。

よくある質問

Q. 根抵当権が付いている物件は、売れないのでしょうか?

A. 売れないわけではありません。多くの場合、売買代金で借入れを返済し、決済と同時に根抵当権を抹消して引き渡します。ただし、金融機関との調整や必要書類の準備が必要なので、通常の売買より段取りが大事です。

Q. 抵当権と根抵当権の一番の違いは何ですか?

A. いちばん大きな違いは、担保する借金の範囲です。抵当権は特定の1つの債権を担保するのに対し、根抵当権は極度額の範囲内で将来の複数の債権をまとめて担保します。事業性融資では根抵当権、住宅ローンでは抵当権が使われることが多いです。

タイトルとURLをコピーしました