令和4年度 問6 賃貸借と使用貸借の比較
正解番号
3
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令和4年度試験問題PDF(不動産適正取引推進機構)を開くこの問題の結論
同じ土地の利用でも、対価を伴う賃貸借(①)と無償の使用貸借(②)で扱いがどう違うかを比較する問題。借主による中途解約・解除の可否がポイントで、賃貸借では解約権を留保していれば期間内解約の申入れができ、使用貸借では借主はいつでも契約を解除できる。これを述べる肢3が正しい。
選択肢ごとの解説
※ 問題文は転載していません。「論点」は各肢の内容の要約です。必ず公式PDFの原文とあわせてお読みください。
- 1記述は誤り ×
論点: 引渡し前の貸主による解除について、賃貸借は口頭契約に限り自由に解除でき、書面の使用貸借でも自由に解除できるか。
誤り。使用貸借では、書面によらない契約の場合に限り、貸主は引渡し前であれば自由に解除できる(民法593条の2)。書面による使用貸借では引渡し前でも自由に解除できない。また賃貸借には引渡し前だから口頭なら自由に解除できるという特別の規定はなく、賃貸借は諾成契約として成立すれば拘束される。両方の説明が逆・不正確で誤り。
- 2記述は誤り ×
論点: 賃貸借では貸主の承諾がないと転貸できないが、使用貸借では貸主の承諾なく転貸(第三者に使用させること)ができるか。
誤り。賃貸借で貸主の承諾なく転貸できないのは正しいが(民法612条)、使用貸借でも借主は貸主の承諾を得なければ第三者に借用物を使用・収益させることはできない(民法594条2項)。使用貸借だから承諾不要というわけではなく、両者とも無断転貸はできない。使用貸借について承諾不要とする点が誤り。
- 3記述は正しい ○正解肢
論点: 賃貸借では解約権を留保していれば期間内に解約の申入れができ、使用貸借では借主は権利を留保していなくてもいつでも解除できるか。
正しい。期間の定めのある賃貸借でも、当事者が期間内に解約する権利を留保していれば、解約の申入れによって契約を終了させることができる(民法618条・617条)。他方、使用貸借では、借主はいつでも契約を解除することができる(民法598条3項)ため、解除権を留保していなくても解除できる。両者の違いを正しく述べており正しい。
- 4記述は誤り ×
論点: 契約の本旨に反する使用による損害賠償請求は、賃貸借では返還時から5年以内、使用貸借では1年以内にしなければならないか。
誤り。用法違反による損害賠償請求権は、賃貸借・使用貸借のいずれについても、貸主が返還を受けた時から1年以内に請求しなければならない(民法622条・600条1項)。賃貸借だけ5年とする点が誤り。なお、この損害賠償請求権は貸主が返還を受けた時から1年を経過するまでの間は、消滅時効が完成しない(600条2項)という扱いもあわせて押さえる。
間違えやすいポイント
①用法違反の損害賠償請求は賃貸借・使用貸借とも『返還を受けた時から1年以内』で共通(賃貸借だけ長い、と思い込まない)。②無断転貸(無断の第三者使用)はどちらも禁止で貸主の承諾が必要。③引渡し前の貸主解除は『書面によらない使用貸借』に固有のルール。④借主の解除は、使用貸借はいつでも可、賃貸借は解約権の留保が要る、という非対称に注意。
覚え方
「用法違反の賠償請求は、賃貸借も使用貸借も“返してから1年”」「無断転貸はどっちもダメ」「タダ借り(使用貸借)の借主はいつでも“やめた”と言える」
類似オリジナル問題で理解度チェック
※ 本サイトが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。
【オリジナル問題】Aを貸主、Bを借主として、A所有の甲土地について①賃貸借契約を締結した場合と②使用貸借契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 1契約の本旨に反する使用によって生じた損害の賠償は、①でも②でも、Aが甲土地の返還を受けた時から1年以内に請求しなければならない。
- 2Bは、①では貸主Aの承諾がなくても甲土地を第三者に使用させることができるが、②ではAの承諾が必要である。
- 3②では、書面によって契約を締結していても、Aは甲土地の引渡し前であれば自由に契約を解除することができる。
- 4①では、期間の定めがある場合、解約権を留保していなくても、Bは期間内にいつでも解約の申入れをすることができる。