令和4年度 問44 37条書面(交付の相手方・交付方法・記載事項)
令和4年5月18日施行のデジタル改正により、37条書面は相手方等の承諾を得れば書面の交付に代えて電磁的方法により提供でき、宅建士の押印も廃止されて記名のみで足りることとなった。もっとも肢4の違反は「(書面でも電磁的方法でも)交付・提供を一切していない」点にあり、記載事項や交付の相手方・交付行為者に関する肢1〜3の判断も改正で変わらないため、本問の正解(4)は現行法でも同じである。
正解番号
4
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令和4年度試験問題PDF(不動産適正取引推進機構)を開くこの問題の結論
法の規定に違反するのは肢4。37条書面は当事者に交付(相手方の承諾があれば電磁的方法により提供)しなければならず、各自が書類を作成して保管するだけで交付しないのは違反となる。肢1(代理業者Cにも交付)、肢2(宅建士でない従業員が交付)、肢3(借賃以外の金銭の授受の目的も記載)はいずれも適法である。
選択肢ごとの解説
※ 問題文は転載していません。「論点」は各肢の内容の要約です。必ず公式PDFの原文とあわせてお読みください。
- 1記述は正しい ○
論点: 自ら売主として契約したとき、買主だけでなく買主の代理をした宅建業者にも37条書面を交付することは違反か。
正しい取扱いで違反しない。37条書面は契約の各当事者に交付する。買主の代理として宅建業者Cが関与している場合、CもBに加えて交付を受ける相手方となり得るため、BとCの双方に交付しても差し支えない。過剰な交付が違反になるわけではない。
- 2記述は正しい ○
論点: 37条書面に記名した宅建士が不在のため、宅建士でない従業員に書面を交付させることは違反か。
正しい取扱いで違反しない。37条書面には宅建士の記名が必要だが、書面を相手方に「交付する」行為そのものは宅建士でなくてもよい。記名した宅建士が不在でも、宅建士でない従業員が交付すること自体は宅建業法に違反しない。
- 3記述は正しい ○
論点: 貸借の媒介で借賃以外の金銭の授受の定めがあるとき、その額・時期に加えて授受の目的も37条書面に記載することは違反か。
正しい取扱いで違反しない。借賃以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額および授受の時期に加えて「授受の目的」も37条書面の記載事項である。これらを記載して交付する取扱いは法の要求どおりであり違反しない。
- 4記述は誤り ×正解肢
論点: 当事者間で内容を確認したうえ、各自が書類を作成して保管するだけで37条書面を交付しないことは違反か。
違反する。宅建業者は契約が成立したときは遅滞なく37条書面を作成し、契約の各当事者に交付(相手方の承諾があれば電磁的方法で提供)しなければならない。三者で内容を確認しても、それぞれが自ら作成した書類を保管するだけで相手方に交付しないのは、交付義務に反し違反となる。
間違えやすいポイント
肢2の「宅建士でない従業員が交付」は違反に見えて適法。宅建士でなければできないのは37条書面への“記名”であって、“交付”は誰が行ってもよい。肢4は『内容を確認して各自保管』という一見丁寧な処理でも、肝心の交付(提供)をしていないため違反になる点がポイント。相手が宅建業者同士でも交付義務は免除されない。
覚え方
「37条書面は“記名は宅建士・交付は誰でもOK”」「作って確認しても“渡さなければ”違反」「代理・媒介業者にも交付する」
類似オリジナル問題で理解度チェック
※ 本サイトが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。
【オリジナル問題】宅地建物取引業者Aが宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(37条書面)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反するものはどれか。なお、令和4年5月施行後の現行法に基づくものとする。
- 1Aは、37条書面に記名した宅地建物取引士が不在であったため、宅地建物取引士でない従業員に当該書面を相手方に交付させた。
- 2Aは、自ら売主として宅地建物取引業者間で売買契約を締結したが、両者が内容を確認したため、いずれにも書面を交付しなかった。
- 3Aは、その媒介により建物の貸借契約を成立させ、借賃以外の金銭の授受の定めについて、その額・時期・目的を37条書面に記載して借主に交付した。
- 4Aは、相手方の承諾を得たため、37条書面の交付に代えて電磁的方法によりこれを提供した。