令和4年度 問32 37条書面(記名押印・宅建士証の提示・記載事項)
出題当時(令和4年4月1日)は37条書面に宅地建物取引士の「記名押印」が必要だったが、令和4年5月18日施行のデジタル改正で押印が廃止され「記名」のみで足りることになり、書面に代えて相手方の承諾を得た電磁的方法による提供も可能になった。もっとも本問各肢の正誤は押印の有無では決まらない(複数業者が関与する場合に各業者が自社の宅建士に記名させる義務がある点、宅建士証の提示、記載事項の要否)ため、結論は現行法でも変わらない。誤りの肢1は現行法では「記名押印」を「記名」と読み替えて考えればよい。
正解番号
1
問題文は公式PDFでご確認ください
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令和4年度試験問題PDF(不動産適正取引推進機構)を開くこの問題の結論
誤っているのは肢1で、正解は1。1つの取引に複数の宅建業者が関与する場合、37条書面には関与する各業者が自らの宅地建物取引士をして記名(出題当時は記名押印)させなければならず、他の業者の宅建士が記名していれば自社は不要、とはならない。肢2の宅建士証の提示(請求時)、肢3の手付金保全措置は35条の記載事項で37条書面には不要、肢4の契約不適合責任の特約は定めたときは37条書面の記載事項、はいずれも正しい。
選択肢ごとの解説
※ 問題文は転載していません。「論点」は各肢の内容の要約です。必ず公式PDFの原文とあわせてお読みください。
- 1記述は誤り ×正解肢
論点: 複数の宅建業者が関与する取引で、一方の業者の宅建士が37条書面に記名していれば、他方の業者は自社の宅建士に記名させなくてよいか。
誤り。売主業者Aと媒介業者Bのように複数の宅建業者が1つの取引に関与する場合、37条書面には関与するそれぞれの業者が自らの宅地建物取引士をして記名(出題当時は記名押印)させなければならない。Bの宅建士が記名していても、Aは自社の宅建士に記名させる義務を免れない。したがって「Aは記名させる必要はない」とする本記述は誤りで、これが正解肢。
- 2記述は正しい ○
論点: 37条書面を交付する際、買主から請求があれば宅建士証を提示しなければならないか。
正しい。宅地建物取引士は、取引の関係者から請求があったときは宅地建物取引士証を提示しなければならない。35条の重要事項説明の際は請求がなくても提示義務があるが、37条書面の交付時は「請求があったとき」に提示すれば足りる。本記述はこの区別を正しく述べている。
- 3記述は正しい ○
論点: 手付金等の保全措置の概要は、重要事項説明書に記載・説明すれば足り、37条書面には記載不要か。
正しい。手付金等の保全措置を講ずる場合、その措置の概要は35条の重要事項として説明書に記載し説明しなければならないが、37条書面の記載事項ではない。37条書面に記載するのは、代金・交換差金以外の金銭(手付金など)の額・授受の時期・目的であって、保全措置の概要そのものではない。本記述は正しい。
- 4記述は正しい ○
論点: 契約不適合を担保すべき責任について特約を定めたときは、その内容を37条書面に記載しなければならないか。
正しい。種類・品質に関する契約不適合を担保すべき責任について特約(定め)があるときは、その内容は37条書面の記載事項(任意的記載事項=定めがあれば記載)である。特約を定めたのに記載しなければ違反となる。本記述は正しい。
間違えやすいポイント
①「他の業者の宅建士が記名していれば自社は不要」というひっかけ。複数業者が関与すれば各業者が自社の宅建士に記名させる義務を負う。②35条(重要事項説明)の記載事項と37条(契約書面)の記載事項の混同。手付金等の保全措置の『概要』は35条マター、37条には金銭の額・時期・目的を書く。③宅建士証の提示は「35条=常に必要/37条=請求があれば」の違いを押さえる。
覚え方
「37条は“関わった業者みんな”が記名(現行は押印不要)」「保全措置の“概要”は35条、金銭の“額・時期・目的”が37条」「士証提示は35条つねに・37条は請求されたら」
類似オリジナル問題で理解度チェック
※ 本サイトが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。
【オリジナル問題】宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。なお、令和4年5月18日施行の改正後の規定によるものとする。
- 1宅地建物取引業者は、37条書面に宅地建物取引士をして記名させなければならないが、押印については要しない。
- 2宅地建物取引業者は、相手方の承諾を得れば、37条書面の交付に代えて電磁的方法により当該書面に記載すべき事項を提供することができる。
- 31つの売買契約に売主業者と媒介業者が関与する場合、37条書面には各業者がそれぞれ自らの宅地建物取引士をして記名させなければならない。
- 4宅地建物取引士は、37条書面を交付するに当たっては、相手方からの請求の有無にかかわらず、常に宅地建物取引士証を提示しなければならない。