令和4年度 問17 建築基準法(既存不適格・建築確認・条例による制限)
肢2の「延べ面積500㎡超の建築物の大規模修繕」は、出題当時も現在も、都市計画区域の内外を問わず全国で建築確認が必要であり、肢2は誤りのまま結論は変わらない。令和7年4月1日施行の建築基準法改正で建築確認の対象区分(いわゆる4号特例の縮小、新2号・新3号建築物への再編)や都市計画区域外の小規模木造住宅の確認要否は見直されたが、延べ面積500㎡超という大規模建築物の大規模修繕が全国で確認対象となる点は改正後も同様であるため、本問の正解(肢3)に影響はない。
正解番号
3
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令和4年度試験問題PDF(不動産適正取引推進機構)を開くこの問題の結論
正しいものは肢3で、正解は3。地方公共団体は、条例で建築物の敷地・構造・建築設備に関して安全上・防火上・衛生上必要な制限を附加できる(建築基準法40条)。肢1は既存不適格建築物が違反建築物にならないこと、肢2は大規模建築物の大規模修繕が全国で確認対象になること、肢4は災害危険区域内の建築制限を条例に委ねていること(一律禁止ではないこと)を、それぞれ正確に理解しているかを問う。
選択肢ごとの解説
※ 問題文は転載していません。「論点」は各肢の内容の要約です。必ず公式PDFの原文とあわせてお読みください。
- 1記述は誤り ×
論点: 法改正で既存の建築物が新基準に適合しなくなった場合、その建築物は違反建築物となり直ちに是正しなければならないか。
誤り。法令の改正や都市計画の変更により、既存の建築物が改正後の規定に適合しなくなった場合、その建築物には改正後の規定が適用されず(3条2項)、いわゆる既存不適格建築物として適法に存続できる。違反建築物になるわけではなく、直ちに適合させる義務も生じない。増改築等を行う際に段階的に適合が求められるにとどまる。
- 2記述は誤り ×
論点: 延べ面積500㎡超の建築物の大規模修繕は、都市計画区域外であれば建築確認が不要か。
誤り。延べ面積500㎡を超えるような大規模建築物(出題当時の6条1項2号・3号建築物)については、都市計画区域の内外を問わず全国どこでも、新築だけでなく大規模の修繕・模様替えの際にも建築確認が必要である。「都市計画区域外なら不要」とする点が誤り。区域内外で扱いが変わるのは、確認が原則不要となる小規模な一般建築物(いわゆる4号建築物)についてである。
- 3記述は正しい ○正解肢
論点: 地方公共団体は、条例で建築物の敷地・構造・建築設備について安全上・防火上・衛生上必要な制限を附加できるか。
正しい。地方公共団体は、その地方の気候・風土の特殊性や特殊建築物の用途・規模により、建築基準法の規定のみでは安全・防火・衛生の目的を十分に達しがたいと認める場合、条例で建築物の敷地・構造・建築設備に関して必要な制限を「附加」できる(40条)。附加(上乗せ)はできるが、緩和はできないのが原則。
- 4記述は誤り ×
論点: 地方公共団体が災害危険区域を条例で指定した場合、その区域内での住居用建築物の建築は一律に禁止されるか。
誤り。地方公共団体は、津波・高潮・出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として条例で指定でき、その区域内における住居の用に供する建築物の建築の禁止その他建築に関する制限で「災害防止上必要なもの」は条例で定めるとされている(39条)。制限の内容は条例に委ねられており、法律上当然に一律禁止となるわけではない。
間違えやすいポイント
①既存不適格建築物は「違反」ではなく適法に存続できる、という基本を落とすと肢1で誤答する。②建築確認の要否は、大規模建築物(旧2号・3号)は全国で確認対象、小規模な一般建築物(旧4号)は都市計画区域等の内外で扱いが変わる、という区分を混同しやすい。③災害危険区域の建築制限は「条例で定める」もので、法律が一律禁止しているわけではない。「一律」「必ず」という強い言い回しに注意。
覚え方
「既存不適格は“違反”じゃなくセーフ」「大きい建物(500㎡超)は全国どこでも確認いる」「災害危険区域の中身は“条例まかせ”」。
類似オリジナル問題で理解度チェック
※ 本サイトが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。
【オリジナル問題】建築基準法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 1地方公共団体は、条例で、建築物の敷地、構造又は建築設備に関する制限を、建築基準法の規定より緩和することができる。
- 2都市計画区域外において木造3階建て、延べ面積300㎡の一戸建て住宅を新築する場合、建築確認を受ける必要はない。
- 3都市計画の変更により現に存する建築物が新たな規定に適合しなくなった場合でも、その建築物は当然に違反建築物となるものではない。
- 4地方公共団体が条例で指定する災害危険区域内では、法律上、住居の用に供する建築物の建築が一律に禁止される。