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令和3年度(10月試験) 問12 建物賃貸借(解約申入れ・敷金承継・転貸借・定期建物賃貸借)

権利関係#借地借家法(借家)現行法対応済

正解番号

2

問題文は公式PDFでご確認ください

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この問題の結論

建物賃貸借をめぐる4つの論点(期間の定めのない賃貸借の解約申入れ、賃貸人の交代と敷金の承継、転貸借の終了、定期建物賃貸借の終了通知)を横断的に問う問題。正しいものを1つ選ぶ形式で、賃借物である甲建物の所有権移転により賃貸人たる地位がCに承継され、敷金関係も(未払賃料充当後の残額について)新賃貸人Cに承継されるとする肢2が正しい。

選択肢ごとの解説

※ 問題文は転載していません。「論点」は各肢の内容の要約です。必ず公式PDFの原文とあわせてお読みください。

  • 1記述は誤り ×

    論点: 期間の定めのない建物賃貸借で、賃貸人からの解約申入れは、申入れの日から3月の経過で契約を終了させられるか。

    誤り。期間の定めのない建物賃貸借において、賃貸人が解約の申入れをした場合、建物の賃貸借は解約の申入れの日から6月を経過することによって終了する(借地借家法27条1項)。しかも賃貸人からの解約申入れには正当事由が必要である(28条)。3月の経過で終了するのは借主側からの解約申入れ等であって、賃貸人からの解約申入れではない(民法617条の3月を借地借家法27条が修正している)。よって本肢は誤り。

  • 2記述は正しい ○正解肢

    論点: 建物引渡し後に所有権が賃貸人AからCへ移転した場合、敷金は未払賃料に充当され、残額が新所有者Cに承継されるか。

    正しい。賃借人が建物の引渡しを受けた後に賃貸物である建物の所有権が移転すると、賃貸人たる地位は新所有者Cに移転する(民法605条の2第1項)。このとき敷金関係も新賃貸人に承継されるが、旧賃貸人Aに対する未払賃料があればまず敷金がこれに充当され、その残額についての敷金返還債務が新賃貸人Cに承継される(民法605条の2第4項)。他に特段の合意がない限り、本肢のとおりとなり正しい。

  • 3記述は誤り ×

    論点: 適法な転貸借がある場合、賃貸人が転借人に期間満了による終了を通知すると、転貸借は通知から3月の経過で終了するか。

    誤り。建物の賃貸借が期間満了または解約申入れによって終了するとき、賃貸人は適法な転借人にその旨を通知しなければ終了を対抗できず、通知をしたときは、その通知がされた日から6月を経過することによって転貸借は終了する(借地借家法34条)。本肢は『3月』としており誤り。正しくは6月である。

  • 4記述は誤り ×

    論点: 定期建物賃貸借で終了通知を怠ると、従前と同一条件で契約が更新されたものとみなされるか。

    誤り。定期建物賃貸借(借地借家法38条)はそもそも更新がない契約であり、終了通知を怠っても『更新されたものとみなされる』ことはない。期間1年以上の定期建物賃貸借では、賃貸人は期間満了の1年前から6月前までの間に賃借人へ終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗できないが、通知が遅れた場合でも通知の日から6月を経過すれば終了を対抗できる(38条6項)。契約が更新扱いになるわけではないので、本肢は誤り。

間違えやすいポイント

期間の数字(3月/6月)のすり替えが集中投下されている問題。①期間の定めのない賃貸借で賃貸人が解約申入れ→6月+正当事由(借主側なら3月)、②転貸借の終了通知→通知から6月、と『賃貸人側・転貸借がらみは6月』で押さえると肢1・3のひっかけを外せる。定期建物賃貸借は『更新がない契約』だから、通知を怠っても更新されるのではなく『終了を対抗できないだけ(通知後6月で対抗可)』という点も要注意(肢4)。

覚え方

『貸主からの解約は6月+正当事由、転貸借の終了通知も6月』。『定期建物賃貸借は更新なし=怠っても更新にならず、6月で対抗できるだけ』。敷金は『未払に充当してから新オーナーに引き継ぐ』。

類似オリジナル問題で理解度チェック

※ 本サイトが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。

【オリジナル問題】Aを賃貸人、Bを賃借人とする甲建物の賃貸借契約に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 1Bが甲建物の引渡しを受けた後にAが甲建物をCに譲渡した場合、賃貸人たる地位はCに移転し、敷金返還債務も(未払賃料充当後の残額につき)Cが承継する。
  2. 2期間の定めのない甲建物の賃貸借について、Aが解約の申入れをしたときは、正当事由の有無にかかわらず、申入れの日から3月の経過で契約は終了する。
  3. 3甲建物が適法にBからDに転貸されている場合、AがDに期間満了による終了を通知すれば、その通知の日から3月の経過で転貸借は終了する。
  4. 4借地借家法第38条の定期建物賃貸借において、Aが期間満了前の終了通知を怠ったときは、契約は従前と同一条件で更新されたものとみなされる。

関連論点の問題