令和7年度 問1 不動産の二重譲渡と対抗要件(民法177条)
正解番号
3
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令和7年度試験問題PDF(不動産適正取引推進機構)を開くこの問題の結論
解除・取消しと第三者の問題は「その前に現れた第三者か、後に現れた第三者か」で処理が変わるのが軸。解除の場合は、解除前の第三者は民法545条1項ただし書+登記(権利保護要件)で保護され、解除後の第三者は177条の対抗関係で登記の有無により決まる。つまりどちらの場合も「登記を備えた第三者」は保護される。一方、強迫による取消しでは、取消し前の第三者は善意無過失でも保護されない(96条3項は詐欺のみ)。
選択肢ごとの解説
※ 問題文は転載していません。「論点」は各肢の内容の要約です。必ず公式PDFの原文とあわせてお読みください。
- 1記述は誤り ×
論点: 中間者Bは、Cへ転売した後はAに対する移転登記請求ができなくなるか。
誤り。BがCに転売した後も、BはAに対する所有権移転登記請求権を失わない(判例)。登記が A→B→C と順次移転するために、中間者Bの登記請求権は転売後も存続する。
- 2記述は誤り ×
論点: 転得者Cは、登記がなければ元の所有者Aに所有権を主張できないか。
誤り。AはCから見て前々主であり、対抗関係に立つ「第三者」(民法177条)に当たらない。当事者およびその包括承継人的な関係にある者に対しては、登記がなくても所有権を主張できる。
- 3記述は正しい ○正解肢
論点: AB間の売買が解除された場合、解除の前後を問わず、Cは登記を備えればAに所有権を主張できるか。
正しい。解除前に現れた第三者は民法545条1項ただし書により保護されるが、判例は保護の要件として登記(権利保護要件としての登記)を要求する。解除後に現れた第三者との関係は177条の対抗関係となり、先に登記を備えた方が勝つ。したがって、いずれの場合でも登記を備えたCはAに所有権を主張できる。
- 4記述は誤り ×
論点: 強迫を理由とする取消しの場合、取消しの前後を問わず、Cは善意無過失であれば保護されるか。
誤り。詐欺と異なり、強迫による取消しは「取消し前の善意無過失の第三者」にも対抗できる(民法96条3項が保護するのは詐欺の場合のみ)。また、取消し後に現れた第三者との関係は177条の対抗関係であり、善意・無過失かどうかではなく登記の有無で決まる。
間違えやすいポイント
詐欺と強迫の第三者保護の違いを混同しやすい。96条3項で保護されるのは「詐欺による取消し“前”の善意無過失の第三者」だけで、強迫の被害者はより厚く保護される(取消し前の第三者にも勝てる)。また「取消し後・解除後」の第三者はすべて177条の登記の勝負になる、という整理を忘れないこと。
覚え方
「強迫の被害者は最強(取消し前の第三者にも勝てる)」「“後ろ”に現れた第三者とは、ぜんぶ177条の登記のかけっこ」
類似オリジナル問題で理解度チェック
※ 本サイトが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。
【オリジナル問題】所有者Aは、Bの詐欺を理由としてAB間の甲土地売買契約を取り消した。その後、BはCに甲土地を売却し、Cは所有権移転登記を備えた。民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 1取消し後に利害関係に入ったCとAとの関係は対抗関係となり、先に登記を備えたCがAに優先する。
- 2Cは、Bの詐欺について善意かつ無過失でなければ、登記を備えてもAに対抗できない。
- 3取消しにより契約は遡及的に無効となるため、Cは登記を備えてもAに保護されることはない。
- 4Aは、登記がなくても常にCに対して所有権を主張できる。