令和6年度 問28 報酬額の制限(居住用/事業用貸借・権利金・実費請求)の組合せ
本問の各肢は低廉な空家等の売買・貸借の特例に触れないため、令和6年7月1日施行の報酬告示改正(空家等特例の対象を代金400万円以下→800万円以下に拡大、媒介上限を30万円→33万円(税抜)に、長期の空家等の貸借特例を新設)の影響は受けない。改正後も本問の解答・計算は変わらない。
正解番号
2
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令和6年度試験問題PDF(不動産適正取引推進機構)を開くこの問題の結論
違反しないのはイ・ウで、正解は2。アは居住用建物の貸借なので、依頼者の承諾がない限り一方から受けられるのは借賃の0.5か月分(6.6万円)まで。貸主から代理として6.7万円を受領した点が上限超過で違反する。イは事業用建物で権利金みなしより借賃基準の方が有利になり、双方合計10万円が上限内で適法。ウは実費(遠隔地調査費)を報酬とは別に受領しており、報酬額の計算も上限内で適法。
選択肢ごとの解説
※ 問題文は転載していません。「論点」は各肢の内容の要約です。必ず公式PDFの原文とあわせてお読みください。
- ア記述は誤り ×
論点: 居住用建物(借賃12万円)の貸借で、承諾を得ていない借主から6.5万円、代理の貸主から6.7万円を受領するのは適法か。
違反する。居住用建物の貸借の媒介・代理では、依頼者の承諾を得ている場合を除き、一方から受けられる報酬は借賃の0.5か月分が上限で、課税事業者は6万円×1.10=6万6,000円まで。貸主・借主の合計上限は借賃1か月分×1.10=13万2,000円。借主からの6.5万円は承諾不要の6.6万円以内で適法だが、貸主から受けた6.7万円は貸主の承諾がない以上6.6万円を超えており違反する。
- イ記述は正しい ○
論点: 事業用建物(借賃10万円・権利金90万円)の貸借の媒介で、双方から各5万円ずつ受領するのは適法か。
違反しない。居住用以外の貸借では、権利金(返還されない権利設定の対価)を売買代金とみなして報酬を計算できるが、その方法だと免税事業者Bの上限は90万円×5%=4.5万円に本体価格4%相当を上乗せして各4万6,800円までとなる。一方、通常の貸借の原則で計算すると双方から受ける報酬の合計は借賃1か月分に本体4%相当を上乗せした10万4,000円までとなり、こちらが有利。双方から各5万円(合計10万円)は10万4,000円以内なので適法。
- ウ記述は正しい ○
論点: 代金3,500万円(税込・土地2,400万円)の売買の媒介で双方から各110万円、さらに承諾済みの遠隔地調査の実費9万円を売主から受領するのは適法か。
違反しない。税込建物価格1,100万円から消費税100万円を除いた本体1,000万円と土地2,400万円の合計3,400万円(税抜)を基礎に、3,400万円×3%+6万円=108万円、課税事業者なので×1.10=118万8,000円が一方からの上限。双方から各110万円はこの範囲内。さらに、売主の特別の依頼に基づき、事前に承諾を得て支出した遠隔地への現地調査の実費9万円は、報酬とは別に受領できるため、あわせても違反にならない。
間違えやすいポイント
①権利金を売買代金とみなす特例は「居住用建物の貸借」には使えず、事業用・宅地の貸借に限られる。②権利金基準と借賃基準はどちらか有利な方を選べるので、必ず両方計算する(イは借賃基準が有利)。③居住用の貸借は原則一方から借賃0.5か月分まで、承諾があってはじめて1か月分側に寄せられる(アのひっかけ)。④依頼者の依頼に基づく特別の費用(遠隔地調査等)の実費は、承諾があれば報酬とは別枠で受領できる(ウ)。⑤消費税は課税事業者×1.10、免税事業者は本体×1.04で処理。
覚え方
「権利金みなしは“住まい以外”だけ、しかも借賃基準と有利な方」「居住用の片方は原則0.5か月、超えるなら承諾が要る」「特別依頼の実費は報酬と別枠」
類似オリジナル問題で理解度チェック
※ 本サイトが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。
【オリジナル問題】宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が受領する報酬に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはどれか。
- 1居住用建物(借賃20万円、消費税等相当額を含まない)の貸借の媒介で、借主の承諾を得ずに、借主から11万円を報酬として受領した。
- 2事業用建物の貸借の媒介で権利金の授受があるとき、借賃基準と権利金基準のうち高い方を上限として報酬を受領した。
- 3売買の媒介で、依頼者の特別の依頼に基づき、承諾を得て支出した遠隔地への現地調査の実費を、報酬額の上限とは別に受領した。
- 4居住用以外の宅地の貸借の媒介では、権利金の授受があっても、権利金を売買代金とみなして報酬を計算することはできない。