令和4年度 問27 報酬額の制限(媒介報酬・特別の費用・低廉な空家等)
肢4の判定に関わる「低廉な空家等」の特例は、出題当時(令和4年)は代金等の額が400万円以下(税抜)の宅地・建物が対象で、現地調査等の費用を含めても売主から受領できる媒介報酬の上限は18万円(税抜)だった。本問の税抜代金は280万円でこの特例の対象となり、上限は18万円+消費税=19万8,000円。問題文の「20万200円」はこれを超えるため誤りである。令和6年7月1日施行の報酬告示改正で、この特例は代金800万円以下(税抜)に拡大され、上限も30万円(税抜)=33万円(税込)に引き上げられた。現行法でも本問の税抜280万円は特例の対象で、上限は33万円(税込)となるため、「20万200円」でも上限内に収まり、現行法では肢4は正しい(=正しいものが2つ生じる)ことになる点に注意。
正解番号
1
問題文は公式PDFでご確認ください
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令和4年度試験問題PDF(不動産適正取引推進機構)を開くこの問題の結論
依頼者からの特別の依頼に基づく現地調査等の特別の費用で、依頼者が事前に負担を承諾していたものは、媒介報酬とは別に受領できる(肢1が正しい)。使用貸借の媒介で鑑定評価が必須ではないこと、貸借の媒介報酬は承諾があっても合計で借賃1か月分の1.1倍を超えられないこと、低廉な空家等の特例の上限を計算で押さえる。
選択肢ごとの解説
※ 問題文は転載していません。「論点」は各肢の内容の要約です。必ず公式PDFの原文とあわせてお読みください。
- 1記述は正しい ○正解肢
論点: 依頼者の特別の依頼による遠隔地の現地調査費用を、事前承諾のもとで報酬と別に受領できるか。
正しい。依頼者の特別の依頼に基づいて行った広告の料金や、依頼者があらかじめ負担を承諾している特別の費用(遠隔地への現地調査費用など)は、報酬の限度額とは別に、実費相当額を受領できる。事前の承諾があるので別途受領が認められる。
- 2記述は誤り ×
論点: 使用貸借に係る建物の貸借の媒介報酬を算定する際、不動産鑑定業者の鑑定評価を必ず求めなければならないか。
誤り。使用貸借のように借賃がない場合の貸借の媒介・代理の報酬は、その宅地・建物の通常の借賃を基礎に算定するが、その通常の借賃は近傍同種の取引事例等を参考に算定すれば足りる。不動産鑑定業者の鑑定評価を必ず求めなければならないという規定はない。
- 3記述は誤り ×
論点: 居住用建物の貸借の媒介で、依頼者の承諾があれば貸主・借主から受ける報酬の合計が借賃1.1倍を超えてもよいか。
誤り。貸借の媒介で依頼者双方から受けることのできる報酬の合計額は、借賃の1か月分の1.1倍が上限で、これを超えることはできない。居住用建物では、依頼を受けるにあたり依頼者の承諾がない限り一方から受けられるのは0.55倍までという配分の制約はあるが、承諾を得ても合計の1.1倍という上限そのものは超えられない。
- 4記述は誤り ×
論点: 税抜代金280万円の土地付建物の売買媒介で、現地調査等費用を5万円上乗せして20万200円を受領できるか。
誤り(出題当時)。代金300万円のうち土地代金80万円、建物は税込220万円=税抜200万円なので、報酬計算の基礎となる税抜代金は280万円。これは当時の「低廉な空家等」の特例(400万円以下)の対象で、現地調査等の費用を合わせても売主から受領できる上限は18万円(税抜)=19万8,000円(税込)。問題文の20万200円はこれを超えるため受領できない。
間違えやすいポイント
①「特別の費用」を報酬と別に受領できるのは、依頼者の特別の依頼+事前承諾がある場合に限られる点(勝手にかかった費用は別途請求できない)。②貸借の媒介は合計で借賃1.1倍が絶対の上限で、承諾があっても超えられない。③低廉な空家等の特例では、通常の速算額に現地調査等費用を上乗せできるが、あくまで上限(当時18万円・税抜)の範囲内。土地代金は消費税がかからないので、建物部分だけ税抜きに割り戻して代金の基礎を出す計算に注意。
覚え方
「別途もらえる費用は“頼まれて・先に承諾”があるものだけ」「貸借は合計“1.1倍”が天井」「空家特例は“建物だけ税抜きに戻して”上限内」
類似オリジナル問題で理解度チェック
※ 本サイトが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。
【オリジナル問題】宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が受け取ることのできる報酬に関する次の記述のうち、現行の宅地建物取引業法および報酬告示の規定によれば、正しいものはどれか。
- 1Aが売主Bから土地付建物(代金は税抜700万円)の売買の媒介を依頼され、現地調査等の費用が通常より多く要する旨を説明して合意した場合、Aがこの特例に基づきBから受領できる報酬の上限は33万円(税込)である。
- 2貸借の媒介で、依頼者双方の承諾があれば、AB双方から受ける報酬の合計は借賃の1か月分の1.65倍まで受領できる。
- 3依頼者から特別の依頼がなくても、Aが独自の判断で行った広告の料金は、報酬とは別に依頼者に請求できる。
- 4使用貸借に係る建物の貸借の媒介では、報酬の基礎となる通常の借賃を算定するために、必ず不動産鑑定業者の鑑定評価を求めなければならない。