令和5年度 問14 不動産登記法(滅失登記・閲覧・共有物分割禁止の定め)
本問の各肢は令和5年4月1日施行の不動産登記法に基づく。なお相続登記の申請義務化(令和6年4月1日施行)・住所等変更登記の義務化(令和8年4月1日施行予定)が段階的に導入されたが、本問で問われる建物滅失登記・附属書類の閲覧・共有物分割禁止の定めの変更登記・区分建物の所有権保存登記の各ルール自体はこれらの改正で変わっていない。
正解番号
2
問題文は公式PDFでご確認ください
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令和5年度試験問題PDF(不動産適正取引推進機構)を開くこの問題の結論
不動産登記法の手続に関する基本知識を問う。誤っているのは肢2で、登記簿の附属書類(申請書等)の閲覧は『何人も・理由の有無を問わず』できるわけではなく、閲覧につき正当な理由がある者が、その正当な理由があると認められる部分に限り請求できる。建物滅失登記の申請義務(1か月以内)、共有物分割禁止の定めの変更登記の合同申請、区分建物の保存登記の申請適格などが正しい肢として問われている。
選択肢ごとの解説
※ 問題文は転載していません。「論点」は各肢の内容の要約です。必ず公式PDFの原文とあわせてお読みください。
- 1記述は正しい ○
論点: 建物が滅失したとき、表題部所有者等は滅失の日から1か月以内に滅失の登記を申請しなければならないか。
正しい。建物が滅失したときは、表題部所有者または所有権の登記名義人は、その滅失の日から1か月以内に、建物の滅失の登記を申請しなければならない(不動産登記法57条)。表示に関する登記の申請義務の一つである。
- 2記述は誤り ×正解肢
論点: 何人でも、理由の有無を問わず、手数料を納付すれば申請書等の附属書類を閲覧できるか。
誤り(これが正解肢)。登記簿の附属書類のうち、図面以外のもの(申請書等)の閲覧は、『何人も理由の有無にかかわらず』請求できるわけではない。閲覧について正当な理由があると認められる者が、手数料を納付して、その正当な理由があると認められる部分に限り、閲覧を請求できる(不動産登記法121条)。プライバシー等への配慮から閲覧が制限されている。
- 3記述は正しい ○
論点: 共有物分割禁止の定めに係る権利変更の登記は、共有者である全ての登記名義人が共同で申請するか。
正しい。共有物分割禁止の定め(民法256条1項ただし書等)に係る権利の変更の登記の申請は、その定めに係る権利の共有者である全ての登記名義人が共同してしなければならない(不動産登記法65条)。一部の共有者だけで申請することはできない(合同申請)。
- 4記述は正しい ○
論点: 区分建物の所有権保存登記は、表題部所有者から所有権を取得した者も申請できるか。
正しい。区分建物にあっては、表題部所有者から所有権を取得した者も、所有権の保存の登記を申請することができる(不動産登記法74条2項)。通常の建物では原則として表題部所有者等しか保存登記を申請できないのに対し、区分建物ではこの特則により承継取得者からの直接の保存登記が認められる(この場合、敷地権付き区分建物では敷地権の登記名義人の承諾が必要)。
間違えやすいポイント
①附属書類の閲覧は『何人も自由に』ではなく『正当な理由のある者が、その部分に限り』という制限がある(登記事項証明書の“誰でも交付請求できる”ルールと混同しない)。②建物の表示に関する登記(滅失・新築など)は『1か月以内』の申請義務。③共有物分割禁止の定めの変更登記は共有者“全員”の合同申請。④区分建物の保存登記は承継取得者(表題部所有者から買った者)も申請できるという74条2項の特則を押さえる。
覚え方
「証明書は“誰でも”/附属書類の閲覧は“正当な理由がある人だけ・その部分だけ”」「表示登記の申請義務は“1か月以内”」「分割禁止の変更登記は“共有者全員でいっしょに”」「区分建物は“買った人も保存登記OK”(74条2項)」
類似オリジナル問題で理解度チェック
※ 本サイトが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。
【オリジナル問題】不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 1登記簿の附属書類のうち申請書等の閲覧は、閲覧につき正当な理由があると認められる者が、その正当な理由があると認められる部分に限り、請求することができる。
- 2新たに建物を新築したときは、所有権を取得した者は、その新築の日から2か月以内に表題登記を申請しなければならない。
- 3共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記は、共有者のうちいずれか一人が単独で申請することができる。
- 4区分建物の所有権の保存の登記は、表題部所有者に限り、申請することができる。