令和5年度 問11 借地借家法(借地・存続期間と更新)
正解番号
4
問題文は公式PDFでご確認ください
著作権に配慮し、本サイトでは問題文の全文を掲載していません。お手元で公式PDFの【問 11】を開いてから解説をお読みください。
令和5年度試験問題PDF(不動産適正取引推進機構)を開くこの問題の結論
建物所有目的の土地賃貸借(借地権)の更新・存続期間・買取請求の基本を問う。正しいのは肢4で、期間満了時に建物があり借地人が更新を請求しても、借地権設定者が遅滞なく異議を述べ、その異議に正当事由があれば契約は更新されない(法定更新の遮断)。事業用定期借地権や建物買取請求権、地代減額請求の特約の可否についての正確な理解が要求される。
選択肢ごとの解説
※ 問題文は転載していません。「論点」は各肢の内容の要約です。必ず公式PDFの原文とあわせてお読みください。
- 1記述は誤り ×
論点: 『一定期間は地代を減額しない』旨の特約は、その期間中、借地人の減額請求を封じる効力を持つか。
誤り。借地借家法の地代等増減請求権(11条)に関し、一定期間『増額しない』特約は有効だが、『減額しない』特約は借地人に不利な特約として無効であり、借地人はこの特約があっても地代の減額を請求できる。借家の賃料についても同様の扱いである。
- 2記述は誤り ×
論点: 事業用(賃貸アパート事業用)の建物所有目的なら、更新・存続期間延長がない旨の定めには公正証書が必要か。
誤り。まず『専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く)』を所有する目的でなければ事業用定期借地権(23条)は設定できず、賃貸アパートは居住用建物なのでそもそも事業用定期借地権の対象外である。また、更新等がない旨を定める場合に公正証書によることを要するのは事業用定期借地権に固有の要件であって、本肢の前提自体が誤り。
- 3記述は誤り ×
論点: 買取請求排除の特約がなければ、終了事由を問わず常に建物買取請求ができるか。
誤り。建物買取請求権(13条)は、存続期間の満了により借地権が消滅した場合等に認められるものであり、借地人の債務不履行(地代不払等)による解除で契約が終了した場合には認められないと解されている。『終了事由のいかんにかかわらず』常に請求できるわけではない。
- 4記述は正しい ○正解肢
論点: 更新請求に対し設定者が遅滞なく異議を述べ、その異議に正当事由があれば、契約は更新されないか。
正しい。更新のない旨を定めていない借地契約で、期間満了時に建物が存在し、借地人が契約の更新を請求した場合、原則として従前と同一条件で更新されたものとみなされる(5条1項)。ただし、借地権設定者が遅滞なく異議を述べ、その異議に正当の事由(6条)があると認められるときは、更新は生じない。
間違えやすいポイント
①地代・賃料の『増額しない特約は有効・減額しない特約は無効』という非対称を逆に覚えない。借主保護のため、借主に不利な減額封じは無効。②事業用定期借地権は『専ら事業用(居住用を除く)』が要件で、賃貸マンション・アパートは“住居”なので対象外。③建物買取請求権は借地人の債務不履行解除には及ばない。④更新拒絶には『遅滞なき異議+正当事由』の両方が必要。
覚え方
「地代は“上げない特約○・下げない特約×”(借主に不利は無効)」「事業用定借は“住まいはダメ”」「自分の不払いで切られたら買取請求できない」「更新を止めるには“異議+正当事由”」
類似オリジナル問題で理解度チェック
※ 本サイトが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。
【オリジナル問題】AがBに対し、建物所有目的で甲土地を賃貸する借地契約に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- 1当初の15年間は地代を減額しない旨の特約は有効であり、Bはその期間中、地代の減額を請求できない。
- 2Bの居住用建物所有目的で更新のない旨の定めをしていない場合、期間満了時に建物が存在しBが更新を請求すれば、Aが遅滞なく異議を述べても正当事由がなければ契約は更新される。
- 3Bの地代不払を理由にAが借地契約を解除した場合でも、Bは甲土地上の建物の買取りをAに請求できる。
- 4居住用建物を所有する目的の借地契約でも、公正証書で合意すれば更新や存続期間の延長がない旨を定めることができる。