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令和5年度 問1 共同相続と賃料債権の帰属(判決文問題)

権利関係#相続現行法対応済

正解番号

1

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この問題の結論

判決文の核心は「相続開始から遺産分割までの間に生じた賃料債権は、遺産とは別個の財産であり、各共同相続人が相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得する」という点。遺産分割の遡及効(民法909条本文)はこの確定的に取得した賃料債権には及ばない。これに反する肢1が誤りで、正解は1。

選択肢ごとの解説

※ 問題文は転載していません。「論点」は各肢の内容の要約です。必ず公式PDFの原文とあわせてお読みください。

  • 1記述は誤り ×正解肢

    論点: 遺産分割前に生じた賃料は、後にその不動産を取得した相続人が相続開始時にさかのぼって取得するか。

    誤り。判決文は、遺産分割までの間に生じた賃料債権を「遺産とは別個の財産」とし、各共同相続人が相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得するとしている。したがって、後の遺産分割でその不動産が一人に帰属しても、遺産分割の遡及効はすでに確定的に取得された賃料債権には及ばず、不動産を取得した相続人が相続開始時にさかのぼって賃料を取得するわけではない。判決文に真っ向から反するので誤り。

  • 2記述は正しい ○

    論点: 相続人が数人あるとき、相続財産は共有に属し、各共同相続人は相続分に応じて権利義務を承継するか。

    正しい。相続人が数人あるときは、相続財産はその共有に属し(民法898条)、各共同相続人はその相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する(民法899条)。判決文の前提部分そのままの記述で正しい。

  • 3記述は正しい ○

    論点: 遺産分割の効力は相続開始時にさかのぼるが、第三者の権利を害することはできないか。

    正しい。遺産分割の効力は相続開始の時にさかのぼって生ずるが、第三者の権利を害することはできない(民法909条)。条文どおりで正しい。ただし本問の賃料債権は、この遡及効の対象ではなく分割前に確定的に帰属している点が肢1との違い。

  • 4記述は正しい ○

    論点: 遺産分割で一人に帰属した不動産から遺産分割後に生じた賃料は、その相続人が取得するか。

    正しい。遺産分割によって不動産が一人に帰属することとなった場合、その不動産から遺産分割「後」に生じる賃料債権は、当該不動産の所有者となった相続人が取得する。分割後は単独所有となるので、その果実である賃料もその者に帰属し、当然の結論として正しい。

間違えやすいポイント

「遺産分割には遡及効がある(909条)」という知識だけで肢1を正しいと判断してしまうのが最大のひっかけ。判決文は、分割前に生じた賃料債権は遺産とは別個に各相続人へ確定的に帰属し、遡及効の対象外だとしている。分割の遡及効が及ぶのは遺産そのもの(不動産)であって、それを使って稼いだ賃料は別枠、という切り分けを押さえる。

覚え方

「分割前の家賃は“相続分で山分け・確定”、後から分割してもさかのぼらない」「遡及するのは“モノ(不動産)”、家賃はその場で分けて確定」

類似オリジナル問題で理解度チェック

※ 本サイトが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。

【オリジナル問題】被相続人Aが所有していた賃貸建物を、共同相続人B・C(相続分各2分の1)が相続した。相続開始から遺産分割までの間に生じた賃料に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

  1. 1相続開始から遺産分割までの間に生じた賃料債権は、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得する。
  2. 2相続開始から遺産分割までの間に生じた賃料は遺産に含まれ、必ず遺産分割の対象として分割しなければならない。
  3. 3遺産分割で建物をBが取得した場合、Bは相続開始時にさかのぼって分割前の賃料の全額を取得する。
  4. 4分割前の賃料債権は、遺産分割の遡及効により、建物を取得しなかったCには一切帰属しない。

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