令和3年度(10月試験) 問19 旧・宅地造成等規制法(許可の要否・通知・技術的基準・造成宅地防災区域)
本問は出題当時の宅地造成等規制法(旧法)に基づく。令和5年5月26日に盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)が全面施行され、規制区域が「宅地造成等工事規制区域」と「特定盛土等規制区域」に再編されるとともに、盛土・切土だけでなく土石の一時的な堆積も規制対象に加わり、許可基準も強化された。旧法の「宅地造成工事規制区域」「造成宅地防災区域」の枠組みは名称・内容が変わっているため、学習は現行の盛土規制法で行うこと。以下の解説は出題当時の旧法に基づいて正誤を説明し、必要に応じて現行法での扱いを補足する。
正解番号
4
問題文は公式PDFでご確認ください
著作権に配慮し、本サイトでは問題文の全文を掲載していません。お手元で公式PDFの【問 19】を開いてから解説をお読みください。
令和3年度(10月試験)試験問題PDF(不動産適正取引推進機構)を開くこの問題の結論
誤りは肢4で、正解は4。造成宅地防災区域は、宅地造成工事規制区域「外」の一定の造成宅地について指定するものであり、規制区域「内」で指定することはできない(両区域は重複しない)。切土で崖の高さ2m以下は許可不要(肢1)、許可・不許可処分の文書通知(肢2)、都道府県の規則による技術的基準の強化・付加(肢3)はいずれも旧法上正しい。
選択肢ごとの解説
※ 問題文は転載していません。「論点」は各肢の内容の要約です。必ず公式PDFの原文とあわせてお読みください。
- 1記述は正しい ○
論点: 規制区域内で、面積500㎡・切土のみで生じる崖の高さ1.5mの宅地造成に、知事の許可は必要か。
正しい(旧法基準)。旧宅地造成等規制法では、切土であって切土をした部分に生じる崖の高さが2mを超える場合などに宅地造成として許可が必要とされた。崖の高さが1.5mであれば2mを超えないため、面積が500㎡であっても、盛土を生じない切土だけであれば許可は不要である。なお現行の盛土規制法では規制区域や面積・高さの基準の枠組みが再編されているため、現在の判断は盛土規制法で確認する必要がある。
- 2記述は正しい ○
論点: 知事は、工事許可の申請があったとき、許可・不許可の処分を文書で申請者に通知しなければならないか。
正しい(旧法・現行法とも同旨)。都道府県知事は、宅地造成に関する工事の許可の申請があったときは、遅滞なく、許可または不許可の処分を行い、その旨を文書をもって申請者に通知しなければならない。処分の内容を書面で明らかにさせる規定である。
- 3記述は正しい ○
論点: 都道府県は、規則で宅地造成工事の技術的基準を強化し、または付加することができるか。
正しい(旧法基準)。都道府県(指定都市・中核市・施行時特例市の区域ではそれぞれの長)は、一定の場合には規則で、規制区域内で行われる宅地造成に関する工事の技術的基準を強化し、または必要な技術的基準を付加することができる。地域の実情に応じた上乗せ・横出しを認める規定である。
- 4記述は誤り ×正解肢
論点: 知事は、宅地造成工事規制区域「内」の造成宅地を、造成宅地防災区域として指定できるか。
誤り(旧法基準)。造成宅地防災区域は、宅地造成工事規制区域「外」の造成宅地のうち、宅地造成に伴う災害で相当数の居住者等に危害を生ずるおそれが大きい一定の区域について指定するものである。規制区域内はすでに造成工事について直接の規制が及んでいるため、規制区域『内』を造成宅地防災区域として指定することはできず、両区域は重複しない。この点で本記述は誤り。現行の盛土規制法でも造成宅地防災区域は規制区域外の区域に指定する枠組みが維持されている。
間違えやすいポイント
肢4の「規制区域『内』か『外』か」の入替えが最大のひっかけ。宅地造成工事規制区域は『これから造成する工事』を規制し、造成宅地防災区域は『すでに造成された宅地』で災害のおそれが大きいものを規制する、と役割が分かれ、両者は重複しない。旧法の許可要件(切土は崖2m超、盛土は崖1m超、盛土切土あわせて崖2m超、面積500㎡超など)は数字を動かすひっかけが多い。現行の盛土規制法では規制区域・対象行為・基準が再編されている点も要注意。
覚え方
「規制区域は“これから造成”、防災区域は“もう造成した危ない宅地”。区域は重ならない」「防災区域は規制区域の“外”に指定」
類似オリジナル問題で理解度チェック
※ 本サイトが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。
【オリジナル問題】盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。
- 1都道府県知事は、宅地造成等工事規制区域内の造成宅地について、造成宅地防災区域として指定することができる。
- 2宅地造成等工事規制区域内において行われる宅地造成等に関する工事については、原則として、工事主は工事に着手する前に都道府県知事の許可を受けなければならない。
- 3都道府県知事は、宅地造成等に関する工事の許可の申請があったときは、遅滞なく、許可又は不許可の処分をし、その旨を文書で申請者に通知しなければならない。
- 4造成宅地防災区域は、宅地造成等工事規制区域外の造成された宅地の区域で、宅地造成又は特定盛土等に伴う災害で相当数の居住者等に危害を生ずるおそれが大きい一定のものについて指定される。