令和7年度 問10 契約不適合責任(損害賠償・期間制限)
正解番号
3
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令和7年度試験問題PDF(不動産適正取引推進機構)を開くこの問題の結論
品質に関する契約不適合の責任追及を制限する仕組みは3層で考える。①通知期間(民法566条:買主が不適合を知った時から1年以内の通知。ただし売主が引渡し時に悪意・重過失なら適用なし)、②消滅時効(一般原則により引渡しから10年等で消滅)、③特約(任意規定なので原則有効だが、売主が知りながら告げなかった事実には適用されず〔572条〕、売主が宅建業者で自ら売主となる場合は「引渡しから2年以上の通知期間」とする特約以外の買主に不利な特約は無効〔宅建業法40条〕)。肢3は売主が知りながら告げなかったケースであり、売主が宅建業者か否かを問わず買主は請求できる(結論は異ならない)ため、これが誤り=正解肢。
選択肢ごとの解説
※ 問題文は転載していません。「論点」は各肢の内容の要約です。必ず公式PDFの原文とあわせてお読みください。
- 1記述は正しい ○
論点: 引渡しから11年後に発見した不適合は、発見後1年以内に通知しても損害賠償請求できないか。
正しい記述。担保責任に基づく損害賠償請求権も債権の消滅時効に服し、権利を行使できる時(引渡し時)から10年の経過で時効消滅する(判例の考え方)。知った時から1年以内の通知(566条)を満たしても、引渡しから11年経過していれば請求できない。消滅時効は宅建業法の特約規制とは無関係なので、Aが宅建業者か否かにかかわらず結論は同じ。
- 2記述は正しい ○
論点: 「引渡しから3年以内の通知」特約がある場合、4年後に発見・通知しても請求できないか。
正しい記述。民法566条は任意規定であり、通知期間を「引渡しから3年」とする特約は有効(Aは善意・無重過失なので572条の問題も生じない)。Aが宅建業者で自ら売主となる場合でも、宅建業法40条は「引渡しから2年以上」の通知期間特約を許容しており、3年特約は有効。したがって業者か否かを問わず、4年経過後の通知では請求できない。
- 3記述は誤り ×正解肢
論点: 売主が土壌汚染を知りながら告げなかった場合、「引渡しから1年以内の通知」特約の効果は売主が宅建業者か否かで変わるか。
誤り(=本問の正解肢)。売主が知りながら告げなかった事実については、担保責任を制限する特約があっても売主は責任を免れない(民法572条)。したがってAが宅建業者でなくても、Bは特約に妨げられず損害賠償を請求できる。Aが宅建業者で自ら売主となる場合も、そもそも「引渡しから1年」の通知期間特約は宅建業法40条により無効であるうえ、572条の趣旨も同様に働くため、やはり請求できる。どちらでも「請求できる」という同じ結論になり、結論が異なるとする本肢は誤り。
- 4記述は正しい ○
論点: 全部免責特約がある場合、請求の可否は売主が宅建業者か否かで変わるか。
正しい記述。Aが宅建業者で自ら売主となる場合(買主が宅建業者でないとき)、担保責任を一切負わない旨の特約は宅建業法40条により無効となり、民法の原則に戻る。Bは発見後直ちに通知しており引渡しから1年程度なので、損害賠償を請求できる。一方、Aが宅建業者でなければ、免責特約は有効(Aは善意・無重過失で572条も適用されない)なので請求できない。業者か否かで結論が異なる。
間違えやすいポイント
「知った時から1年以内に通知したからOK」で止まってしまい、消滅時効(引渡しから10年)という別の壁を見落とすのが肢1のひっかけ。また、宅建業法40条の「引渡しから2年以上」は〈特約で短縮できる下限〉であって、2年経てば当然に責任が消えるという意味ではない点、572条(知りながら告げなかった事実)はどんな免責・制限特約よりも優先する点を押さえること。
覚え方
「通知セーフでも時効でアウト(知って1年・引渡しから10年)」「知って黙った売主は特約に隠れられない(572条)」「業者売主の特約は“引渡しから2年以上の通知”だけ許される」
類似オリジナル問題で理解度チェック
※ 本サイトが作成したオリジナル問題です(過去問の転載ではありません)。
【オリジナル問題】Aを売主、Bを買主とする中古住宅の売買契約が締結され、引渡し後に品質に関する契約不適合が見つかった。民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 1Aが引渡しの時に不適合を知っていた場合であっても、Bは不適合を知った時から1年以内に通知しなければ、損害賠償を請求できない。
- 2Bが不適合を知った時から1年以内にAに通知すれば、消滅時効が完成しない限り、通知後直ちに請求しなくても損害賠償を請求できる。
- 3担保責任を一切負わない旨の特約があれば、Aが知りながら告げなかった不適合についても、Aは責任を免れる。
- 4品質に関する不適合の通知期間は、法律上「引渡しから2年」と定められている。