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「親から引き継いだ空き家を売りたいけれど、不動産会社の『仲介』と『買取』、どっちを選べばいいの?」——結論から言うと、少しでも高く売りたいなら仲介、早く確実に手放したいなら買取が向いています。分かれ目になるのは「時間に余裕があるか」「物件の状態」「手間をかけられるか」の3つです。買取の価格は市場価格の7〜8割程度が目安とされる一方で、スピードと確実さ、手間の少なさでは仲介より有利。つまり、どちらが正解かは物件とご自身の事情によって変わります。この記事では、仲介と買取の仕組みの違い、価格・期間・手間・責任・費用の5つの観点での比較、向き不向きの判断基準、そして迷ったときの第3の選択肢まで、不動産の現場目線で分かりやすく整理します。

仲介と買取、仕組みはどう違う?
まずは2つの売り方の基本から押さえましょう。いちばん大きな違いは、「誰がその家を買うのか」です。
仲介:不動産会社が「買主を探してくれる」売り方
仲介は、不動産会社に依頼して、広告や紹介を通じて買主(主に個人)を探してもらう売り方です。市場で広く買主を募るため、需要があれば市場価格に近い金額で売れる可能性があります。一方で、買主が見つかるまで数か月、物件や条件によっては1年以上かかることもあります。成約時には仲介手数料がかかり、内覧対応や価格交渉、契約手続きなど、売主が関わる場面も多くなります。マイホームの売却では最も一般的な方法で、「その家に住みたい人」に届けば高値も期待できる、いわば王道の売り方です。
買取:不動産会社が「直接買い取ってくれる」売り方
買取は、不動産会社自身が買主となって、物件を直接買い取る売り方です。買主を探す期間がそもそも不要なので、話がまとまれば早く、数週間で現金化できるケースもあります。仲介手数料は原則かからず、家具や荷物が残ったまま(残置物あり)でも引き受けてくれる会社もあります。売却活動を周囲に知られにくいのも特徴で、空き家を「とにかく早く、手間なく」手放したい人に選ばれやすい方法です。

買取価格が「市場価格の7〜8割程度」とされる理由
「そんなに都合よく買い取ってくれるの?」と思うかもしれませんが、買取会社は買い取った物件をリフォームして再販売したり、土地として活用したりすることで利益を出すビジネスモデルです。だからこそ、個人の買主が付きにくい物件でも引き受けられるのです。
買取のいちばんのデメリットは価格です。一般的に、買取価格は市場価格の7〜8割程度が目安とされています。これは、買い取った会社がリフォームや解体などの再生コストを負担し、再販売できるかどうかのリスクも引き受けるためです。「買い叩かれている」というより、スピードと確実性への対価と考えると納得しやすいと思います。もちろん割合はあくまで目安で、物件の状態や立地によって変わるため、実際の金額は査定で確認する必要があります。
ひとつ補足すると、どちらの売り方を選ぶ場合でも、相続した空き家は名義が故人のままでは売却できません。相続登記(名義変更)がまだの方は、売却活動と並行して早めに司法書士へ相談しておくと、いざ買主や買取会社が決まったときにスムーズです。
価格・期間・手間・責任・費用。5つの観点で比較
次に、選ぶときの判断材料になる5つの観点を、順番に見比べていきましょう。
①価格と②期間:「高さの仲介、速さの買取」
価格面では仲介が有利です。市場で買主を募るぶん、需要のある物件なら買取より高い金額で成約する可能性があります。一方、期間は買取が有利です。仲介は売り出しから引き渡しまで3〜6か月程度かかることが多く、空き家の場合は立地や状態によって1年以上に長引くこともあります。買取なら、査定から引き渡しまで数週間〜1か月程度で完了するケースもあります。「いつまでに手放したいか」を先に決めておくと、ぐっと選びやすくなります。
イメージしやすいように例を挙げると、仲介で1,000万円前後が見込める空き家なら、買取では700万〜800万円程度が目安になる計算です(あくまで一般的な目安で、実際は物件次第です)。この200万〜300万円の差を「待つ時間と手間への対価」と見るか、「もったいない」と見るか。ここが判断の分かれ目になります。
③手間:内覧対応と残置物の扱いが大きな差
仲介では、購入希望者が現れるたびに内覧の調整や立ち会いが発生します。空き家が遠方にある場合、そのたびに足を運んだり、鍵の受け渡しを手配したりするのは現実的に大きな負担です。また、室内の家財の片付けは原則として売主側で行います。買取なら、現地確認は買取会社の査定時が中心で、残置物をそのまま引き取ってくれる会社もあるため、手間の差はかなり大きくなります。実家の片付けが進まずに売却が止まっている、という方には効いてくるポイントです。

④責任:契約不適合責任を免除できるかどうか
個人の買主に売る仲介では、引き渡し後に雨漏りやシロアリ被害など「契約内容と合わない不具合」が見つかった場合、売主が修補や代金減額といった責任(契約不適合責任)を問われる可能性があります。築年数の古い空き家では、ここが心理的な負担になりがちです。買取の場合は、プロである買取会社が状態を織り込んだうえで買うため、契約不適合責任を免除する契約が一般的とされています。※契約の内容や責任の範囲は個別の契約書で決まります。不安な点は契約前に不動産会社へ確認し、必要に応じて弁護士などの専門家にも相談してください。
なお、仲介で売る場合でも、建物の状態を専門家が調べるインスペクション(建物状況調査)を活用したり、把握している不具合を契約書に明記して買主に伝えたりすることで、引き渡し後のトラブルを減らす工夫はできます。古い空き家を仲介で売るなら、この点も不動産会社に相談してみてください。
⑤費用:仲介手数料がかかるか、かからないか
仲介では、成約時に仲介手数料がかかります。上限は「売買価格×3%+6万円+消費税」が一般的な目安で、たとえば1,000万円で成約した場合はおおよそ40万円弱です(計算方法や値引きの実情は仲介手数料の相場で詳しく解説しています)。買取では仲介手数料は原則不要です。ただし、「手数料がないから買取のほうが得」と単純には言えません。売却価格そのものの差も含めた「最終的な手取り額」で比較することが大切です。
また、空き家ならではの費用として、売れるまでの間も固定資産税や管理の負担は続く点を忘れないようにしましょう。仲介で1年かかれば、その1年分の維持コストも実質的な「売却の費用」です。金額の高さだけでなく、時間の経過とともに出ていくお金も含めて考えると、比較の精度が上がります。
あなたはどっち向き?判断基準と第3の選択肢
ここまでの違いを踏まえて、向き不向きを整理します。目安として、「1年ほど待てるか」「内覧のたびに対応できるか」「大きな修繕をしなくても人が住めそうな状態か」の3つを自分に問いかけてみてください。3つとも「はい」なら仲介寄り、「いいえ」が多いほど買取寄り、というのが大まかな判断のイメージです。そのうえで、次のチェックリストでご自身の状況に近いほうを確認してみましょう。
買取が向くケース
- できるだけ早く手放して、現金化・管理負担の解消をしたい
- 老朽化が激しい、再建築不可などの事情で買主が付きにくい
- 遠方に住んでいて、内覧対応や管理が難しい
- 近所に知られずに売却を進めたい
- 残置物が多く、片付けの負担が重い
空き家は放置する期間が長いほど傷みが進み、税負担が増えるリスクも出てきます(詳しくは空き家放置のリスクと固定資産税6倍の仕組みで解説しています)。「売れるうちに、確実に」を優先したい場合、買取は有力な選択肢です。なお、買取を選ぶ場合も1社の提示額だけで決めるのではなく、できれば2〜3社に声をかけて金額と条件を比べましょう。買取価格は会社の再販戦略によって差が出やすく、比較するだけで数十万円変わることもあります。
老朽化が激しい、再建築不可、共有持分など「一般の買取会社では判断が難しい」空き家をお持ちの場合は、訳あり物件を専門に扱う買取サービスに相談してみるのも一つの方法です。「訳あり物件買取センター」は空き家・再建築不可・共有持分・残置物ありといった物件の買取を専門にしており、相談・現地調査・査定は無料です。対象は東京都で、住宅ローンを完済している(残っていない)物件が申込の対象となります。申込後にかかってくる電話で物件の状況を伝え、現地査定の日程まで決めておくとスムーズに進められます。
仲介が向くケース
- 立地や建物の状態が良く、住みたい人の需要が見込める
- 売却を急いでおらず、時間に余裕がある
- 手間をかけてでも、少しでも高く売りたい
仲介で売るなら、パートナーになる会社選びが結果を左右します。空き家や古家の販売実績があるか、地元の需要をつかんでいるか、査定額の根拠を説明できるか、といった視点で比較しましょう。査定額の高さだけで選ぶと、相場より強気の金額で預かって、あとから値下げを重ねる展開になることもあるため、金額の「根拠」を確認する姿勢が大切です。選び方のコツは不動産会社の選び方で詳しく解説しています。
なお、古い空き家では「解体して更地で売る」という方法もありますが、解体費用を先に負担する必要があり、建物がなくなると土地の固定資産税が上がるリスクもあるため、判断は慎重に。解体の是非は、需要とあわせて不動産会社に相談してから決めるのがおすすめです。
解体して更地で売る案を検討する場合は、先に解体費の見積もりを取り、手取り額の試算に織り込んでおきましょう。東証上場企業が運営する「解体工事110番」なら、全国対応で相談・見積もりは無料です。
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迷ったら「買取保証付き仲介」という選択肢も
「高く売れる可能性は残したい。でも、売れ残るのは避けたい」という方には、買取保証付き仲介というハイブリッド型もあります。一定期間(3か月など)は仲介で市場に売り出し、期間内に売れなければ、あらかじめ約束した価格で不動産会社が買い取る、という仕組みです。「高く売れるチャンス」と「期限までに手放せる確実さ」を両立できるのが魅力です。ただし、保証価格は買取水準(市場価格の7〜8割程度)になることが多い、対応していない会社もある、保証の条件が会社ごとに異なる、といった点は事前に確認しておきましょう。
買取保証付き仲介が向いているのは、「転勤や相続税の納付など、手放す期限が決まっている。でも物件の条件は悪くないので、まずは市場で試したい」というケースです。逆に、期限がなく高値を狙いたいなら通常の仲介を、最初からスピード優先なら買取を選ぶほうがシンプルです。
どちらを選ぶにも、出発点は「市場価値の目安」を知ること
仲介と買取のどちらが合うかは、最終的には「仲介で売れそうな金額」と「買取の金額」の差を見て決めるのが合理的です。差が小さいなら、買取のスピードと手軽さが際立ちますし、差が大きいなら、多少時間をかけてでも仲介で売る価値があります。つまり、どちらを選ぶにしても出発点は同じで、まずは市場価値の目安を知ることです。目安を知ってから決めても、遅くはありません。むしろ、相場感のないまま買取の提示額だけを見て判断するほうが、あとで「もう少し高く売れたかも」と後悔しやすいのです。

空き家をどう売るか迷っている段階でも、まず「いくらぐらいの価値なのか」が分かると、話が一気に具体的になります。当サイトの無料診断なら、物件情報を入力するだけで資産価値の目安を確認できます。仲介か買取かを考える前の、最初の一歩にどうぞ。
まとめ:時間・状態・手間で選ぶ。迷ったらまず価値の把握から
最後に、この記事の要点を整理します。
- 高く売るなら仲介、早く確実に手放すなら買取。分かれ目は「時間・物件の状態・手間」の3つ
- 買取は市場価格の7〜8割程度が目安だが、スピード・仲介手数料不要・契約不適合責任の免除が一般的・残置物対応など、手間と安心の面で強みがある
- 老朽化が激しい・遠方・残置物が多いなら買取、立地や状態が良く時間に余裕があるなら仲介が向きやすい
- 迷ったら「買取保証付き仲介」というハイブリッド型もある。保証価格と条件は事前に確認を
どの売り方を選ぶにしても、判断の出発点は「仲介で売れそうな金額」と「買取額」の差を知ることです。①いつまでに手放したいかを決める、②市場価値の目安を把握する、③複数の会社に相談して仲介・買取それぞれの金額を比べる、の順で進めると、納得感のある選択がしやすくなります。
最初の一歩は、いまの価値を知ることです。無料で、数分あれば目安が分かるので、仲介か買取かを検討する前の材料としてぜひ活用してみてください。


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