「物件価格だけ」で家は買えない
家を買うとき、多くの方が物件価格だけを見て予算を考えます。
でも実は、物件価格以外に100万〜300万円以上のお金がかかるのをご存じでしょうか。
私は不動産売買仲介の営業マンとして13年間働いてきましたが、「え、こんなにかかるんですか?」と驚くお客様を何百人も見てきました。中には、契約直前になって「お金が足りない」と気づくケースもありました。
この記事では、家を買うときにかかる「見えない費用」をすべてリストアップします。事前に知っておけば、予算オーバーで慌てることはありません。
見えない費用の全体像|物件価格の7〜10%が目安

まず結論からお伝えします。
物件価格以外にかかる費用(諸費用)は、物件価格の7〜10%が目安です。
・3,000万円の物件 → 諸費用 210万〜300万円
・4,000万円の物件 → 諸費用 280万〜400万円
・5,000万円の物件 → 諸費用 350万〜500万円
「そんなにかかるの?」と思った方、安心してください。この記事を読めば、何にいくらかかるのかが全部わかります。
【購入時】にかかる費用一覧
① 仲介手数料
不動産会社に支払う報酬です。法律で上限が決まっています。
計算式: 物件価格 × 3% + 6万円(+消費税)
・3,000万円の物件 → 約105.6万円
・4,000万円の物件 → 約138.6万円
・5,000万円の物件 → 約171.6万円
プロからのアドバイス: 仲介手数料は「上限」であって「定額」ではありません。交渉の余地はありますが、安くすることで営業マンのモチベーションが下がるリスクもあります。「値引きするなら物件価格の交渉に力を入れてもらう」方が賢い選択です。
② 登記費用
所有権の移転登記や、住宅ローンの抵当権設定登記にかかる費用です。
・所有権移転登記:15万〜30万円
・抵当権設定登記:5万〜15万円
・司法書士報酬:5万〜10万円
合計:25万〜55万円が目安です。
③ 印紙税
売買契約書に貼る収入印紙代です。
・1,000万〜5,000万円の物件 → 1万円
・5,000万〜1億円の物件 → 3万円
※2027年3月31日まで軽減税率が適用されています。
④ 不動産取得税
物件を取得したときに一度だけかかる税金です。購入から数ヶ月後に届くので忘れがちです。
目安: 新築の場合は軽減措置でゼロになることが多いですが、中古の場合は10万〜30万円程度かかることがあります。
【住宅ローン】にかかる費用
⑤ ローン事務手数料
金融機関に支払う手数料で、大きく2パターンあります。
・定額型:3万〜5万円
・定率型:借入額の2.2%(4,000万円なら88万円)
注意: ネット銀行は金利が低い代わりに「定率型」が多く、初期費用が高くなります。金利だけで比較すると損をすることがあります。
⑥ ローン保証料
返済不能になった場合に備える保証会社への費用です。
・一括前払い型:借入額の2%程度(4,000万円なら約80万円)
・金利上乗せ型:金利に+0.2%程度
最近は保証料不要の銀行も増えていますが、その分事務手数料が高い場合があるので、トータルコストで比較することが大切です。
⑦ 団体信用生命保険(団信)
住宅ローンに付帯する生命保険です。基本プランは金利に含まれていることが多いですが、がん保障や三大疾病保障をつけると金利が+0.1〜0.3%上がります。
【保険・税金】にかかる費用
⑧ 火災保険
住宅ローンを組む場合は加入が必須です。
目安: 10年一括で10万〜30万円(マンションか戸建てかで大きく異なる)
⑨ 地震保険
火災保険とセットで加入します。
目安: 5年一括で5万〜15万円(地域・構造による)
⑩ 固定資産税・都市計画税の精算金
引き渡し日を基準に、売主と日割りで精算します。
目安: 数万〜20万円程度
【引っ越し後】にかかる費用
⑪ 引っ越し費用
時期によって大きく変動します。
・閑散期(6〜1月):10万〜20万円
・繁忙期(2〜4月):20万〜40万円
⑫ リフォーム・修繕費用
中古物件の場合、入居前にリフォームが必要なケースが多いです。
・壁紙張り替え:30万〜60万円
・水回りリフォーム:50万〜150万円
・フルリノベーション:300万〜1,000万円
⑬ 家具・家電・カーテン
意外と見落としがちですが、新居に合わせて買い替えると50万〜100万円はかかります。特にカーテンはオーダーメイドだと1部屋5万円以上することも。
【見落としがちな費用】プロが教える注意ポイント
13年の経験で「これを忘れていた」と言われることが多い費用を3つ紹介します。
1. マンションの管理費・修繕積立金
毎月2万〜4万円程度。住宅ローンの返済額に加えてこの金額がかかります。ローン審査では含まれないので、自分で計算に入れておく必要があります。
2. 住宅ローンの「つなぎ融資」利息
注文住宅の場合、建物完成前に土地の代金を払う必要があり、つなぎ融資の利息が数十万円かかることがあります。
3. 町内会費・自治会費
年間数千円〜数万円ですが、戸建ての場合は地域によって高額なケースもあります。

費用を抑えるための3つのコツ
コツ1. 複数の金融機関を比較する
事務手数料・保証料は金融機関によって大きく異なります。金利だけでなく、初期費用を含めた「総支払額」で比較しましょう。
コツ2. 税金の軽減措置を活用する
住宅ローン控除、登録免許税の軽減、不動産取得税の軽減など、使える制度は積極的に活用しましょう。条件を満たせば数十万円の節約になります。
コツ3. 「諸費用ローン」という選択肢
諸費用も住宅ローンに組み込める金融機関があります。手元資金が少ない場合は検討の価値がありますが、借入額が増える分、総利息も増える点に注意してください。
まとめ|「見えない費用」を見える化して安心の家探しを
家を買うときの「見えない費用」をまとめます。
【購入時】
☑ 仲介手数料(物件価格×3%+6万円+税)
☑ 登記費用(25万〜55万円)
☑ 印紙税(1万〜3万円)
☑ 不動産取得税(0〜30万円)
【住宅ローン】
☑ 事務手数料(3万〜借入額の2.2%)
☑ 保証料(0〜借入額の2%)
☑ 団信の上乗せ金利
【保険・税金】
☑ 火災保険(10万〜30万円)
☑ 地震保険(5万〜15万円)
☑ 固定資産税の精算金
【引っ越し後】
☑ 引っ越し費用(10万〜40万円)
☑ リフォーム費用(物件による)
☑ 家具・家電・カーテン(50万〜100万円)
このリストを保存しておけば、「こんなにかかるなんて知らなかった」という後悔を防げます。
家探しの第一歩は、まず「本当の予算」を知ることから。物件価格+諸費用で考えれば、無理のない住宅購入ができます。
この記事は不動産売買仲介13年の経験を持つ筆者が執筆しています。税率や軽減措置は変更される場合があります。最新情報は税理士や金融機関にご確認ください。


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