マンションの売却を検討しているけれど、「何から始めればいいのかわからない」という方は多いのではないでしょうか。
私は不動産売買仲介の営業マンとして 13年間、数百件の売却に関わってきました。その経験から言えるのは、「流れを知っているかどうか」で、売却価格に100万円以上の差がつくこともあるということです。
この記事では、マンション売却の流れをステップごとに解説します。「これさえ読めば全体像がわかる」という内容にまとめましたので、ぜひ最後まで読んでみてください。

Step 1. 相場を知る|「いくらで売れるのか」を把握する
まず最初にやるべきことは、自分のマンションがいくらぐらいで売れるのかを知ることです。
方法は大きく2つあります。
■ 自分で調べる
SUUMOやHOME’Sなどのポータルサイトで、同じエリア・同じ築年数・同じ広さの物件がいくらで売りに出ているかをチェックしましょう。ただし、ポータルの価格は「売り出し価格」であって「成約価格」ではないことに注意してください。

■ 一括査定サービスを使う
複数の不動産会社にまとめて査定依頼できる「一括査定サービス」を使うのがおすすめです。無料で使えますし、複数社の査定額を比較することで「適正価格」が見えてきます。
13年の経験から言うと、1社だけの査定で決めてしまうのは絶対に避けてください。査定額は会社によって数百万円単位で差がつくことがあります。最低でも3社以上から査定を取ることをおすすめします。
※おすすめの一括査定サービスについては、別記事で詳しく比較・紹介予定です。
Step 2. 不動産会社を選ぶ|「媒介契約」を結ぶ
査定結果を見て、売却を任せる不動産会社を選びます。このときに結ぶのが「媒介契約」です。
媒介契約には主に3種類あります。
| 専属専任媒介 | 専任媒介 | 一般媒介 | |
| 依頼先 | 1社のみ | 1社のみ | 複数社OK |
| 自分で買主を探す | NG | OK | OK |
| レインズ登録 | 義務あり(5日以内) | 義務あり(7日以内) | 義務なし |
| 報告義務 | 1週間に1回 | 2週間に1回 | なし |
| おすすめ度 | ★★ | ★★★ | ★ |
・専属専任媒介:1社だけに依頼。その会社が責任を持って売却活動をしてくれる。レインズへの登録義務あり。自己発見取引NG(自分で買主を見つけてきたとしても、必ず仲介会社を通さないといけない)。
・専任媒介:1社だけに依頼&自分で買い手を見つけることもOK。レインズへの登録義務あり。
・一般媒介:複数社に同時に依頼できる。ただし各社の優先度が下がる。
■ プロからのアドバイス
よく「専任と一般、どっちがいいの?」と聞かれますが、私の経験ではまずは専任媒介で始めるのがおすすめです。
理由はシンプルで、一般媒介だと各社が「うちじゃなくても売れるかも」と考えて、広告費をかけた本気の売却活動をしてくれないケースが多いからです。専任媒介なら3ヶ月の契約期間があるので、その間に結果が出なければ一般媒介に切り替えればOKです。
Step 3. 売却活動|不動産会社がやってくれること
媒介契約を結ぶと、不動産会社が以下の売却活動を行います。
・レインズ(指定流通機構)への登録 — 全国の不動産会社が物件情報を見られるシステム
・SUUMO・HOME’S等のポータルサイトへの掲載 — 買い手への露出
・チラシの配布・オープンハウスの開催 — エリアによる
・既存顧客への紹介 — 「家を探しているお客様がいます」
この活動の質が売却価格とスピードに直結します。だからこそ、「どの会社に任せるか」が重要なのです。
Step 4. 内見対応|売り主がやるべきこと

買い手候補が見つかると、内見が入ります。このときの印象で売却価格が変わると言っても過言ではありません。
■ 内見前にやるべき3つ
1. 整理整頓・清掃を徹底する — 物が多い部屋は「狭い」と感じられます。第一印象で「広い」と思わせることが大事です。
2. 水回りを磨く — キッチン・浴室・トイレは必ず見られます。プロ用のクリーナーで磨くだけで印象が大きく変わります。
3. 換気しておく — 意外と見落とす人が多いですが、生活臭は住んでいる本人は気づきません。内見の1時間前には必ず窓を開けましょう。
Step 5. 価格交渉|「値下げ交渉」に備える
買い手から「もう少し安くなりませんか?」と言われるのはほぼ確実です。これは普通のことなので、慌てる必要はありません。
■ 元プロからのアドバイス
・最初から「値下げ分」を上乗せしておくのがプロの常識です。例えば、希望売却価格が3,000万円なら、売り出し価格を3,180万円に設定するなど。
・「これ以上は下げられない」という最低ラインを事前に決めておくこと。交渉の場で感情的になって「ついOKしてしまった」というケースをたくさん見てきました。
Step 6. 契約|重要事項説明と売買契約

買い手が決まると、いよいよ契約です。
■ 重要事項説明(重説)とは?
宅建業法で義務付けられた、物件に関する重要な情報の説明です。土地の権利関係、建物の状況、法令上の制限などが含まれます。
ここでのアドバイス:重説は正直、読み上げを聞いても難しくて眠くなります。でも、「よくわからないけどまあいいか」は絶対にNGです。事前に書類のコピーをもらい、わからない点は必ず質問してください。
Step 7. 決済・引き渡し|最後の山場
契約から約1〜2ヶ月後、買い主の住宅ローン審査が通れば決済(=お金の受け渡し)です。
決済日に行われること:
・残代金の受領
・所有権移転登記の手続き
・鍵の引き渡し
・仲介手数料の支払い
■ 費用の目安
・仲介手数料:売買価格 × 3% + 6万円(+税)
・印紙税:1万〜3万円(価格による)
・ローン残債返済:ローン残高分
・譲渡所得税:利益が出た場合のみ(税率は所有期間による)
まとめ|マンション売却で損しないために
マンション売却は、多くの人にとって「人生で数回」の大きな取引です。だからこそ、正しい知識を持って臨むことが大切です。
この記事のポイントをまとめます:
・まず相場を知る。複数社の査定を取ることが大前提
・媒介契約は専任から始めるのがおすすめ
・内見前の準備で売却価格が変わる
・値下げ交渉は想定内。最低ラインを事前に決めておく
・重説は難しくても必ず理解する
売却の第一歩は、まず「自分のマンションの価値を知ること」からです。おすすめの一括査定サービスについては、近日中に比較記事を公開予定ですので、そちらもぜひチェックしてください。
この記事は不動産売買仲介13年の経験を持つ筆者が執筆しています。特定の不動産会社を推奨するものではありません。個別の状況によって最適解は異なりますので、複数の専門家に相談されることをおすすめします。


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